
11月4日、本拠地最終戦後にファンに挨拶したナイン。CS進出を誓ったがその後、勝利を挙げられず叶わなかった[写真=代表撮影]
辻発彦監督政権4年目の今季、リーグ3連覇だけでなく、クライマックスシリーズ(CS)進出も逃した。指揮官が敗因に挙げたのは打線の不調だ。「昨年までの2年とは全然違って打線がつながらなかった」。2連覇を果たした過去2年は12球団No.1の圧倒的な攻撃力を前面に戦ったが、今季は主力選手が軒並み不調に陥った。
昨季首位打者の
森友哉は打率.251、9本塁打、38打点。本塁打王の
山川穂高は打率.205、24本塁打、73打点。山川は右足首ねん挫の影響で不振を極め、治療専念のために10月31日に登録抹消され、3年連続タイトルは夢に終わった。昨季打点王の
中村剛也も打率.213、9本塁打、31打点。開幕当初は五番に期待された
外崎修汰も打率.247、8本塁打、43打点とシーズン通して調子は上向かなかった。
メジャーへFA移籍した
秋山翔吾(レッズ)の穴も大きかった。開幕から
スパンジェンバーグ、
鈴木将平らが一番に座ったが機能せず。昨季、一番のチーム成績は打率.286、14本塁打、54打点、出塁率は.369を数えたが、今季は打率.229、9本塁打、35打点、出塁率.290。チーム打率はリーグ5位の.238、チーム得点は同4位の479。打ち勝つ野球は影を潜めた。
打線が振るわないなか、2年連続チーム防御率がリーグ最下位だった投手陣は今季も先発陣が苦しんだ。昨季、12勝1敗と11の貯金を稼いだ
ニールは6勝8敗と安定感を欠いた。
今井達也もフォームが固まらず、開幕から制球力が不安でシーズン途中から中継ぎへ。最終盤で先発に復帰したが、成長ぶりを見せることができなかった。
先発のクオリティースタートはリーグ最少の40試合。平均投球回も5.1回とこちらもリーグで最も短く、先発陣のチーム防御率は4.87とリーグ最悪。
西口文也投手コーチは「今の先発陣は安心して球数を投げさせられる投手が少ない」とうめいた。
投打がかみ合わず8月には7連敗に5連敗。2位・
ロッテとは9月14日に最大9ゲーム差をつけられたが、リリーフ陣の充実が最後にCS争いを繰り広げた要因になった。開幕当初は
平良海馬、
ギャレット、
増田達至とつないでいたが、夏場を過ぎると不調のギャレットと入れ替わり
森脇亮介が台頭。1点勝負を勝ち切る「勝利の方程式」を築いた。セーブ王のタイトルを獲得した増田は「僕の前で投げている投手陣がいい流れでつないできてくれる。みんな仲良く、試合になったら集中してやれている」とブルペン陣の充実ぶりを証言した。
11月3日には2位に浮上したが、7日の
楽天戦(楽天生命パーク)に引き分け3位に逆戻り。8日のロッテ戦(ZOZOマリン)に勝てばCS進出に望みがつながったが、2対8と大敗。今季119試合目で3位が確定してしまった。
編集部選定 投打のMVP
増田達至[投手] チームを支えた無敗のセーブ王 今季、好調だったリリーフ陣において開幕から守護神として腕を振り続けた。同点にされたことはあったが逆転は許さず。結果、5勝0敗33セーブと史上3人目の“無敗セーブ王”に輝いた。11月3日の
日本ハム戦(メットライフ)で挙げた今季33セーブ目は球団新記録となる通算136セーブ。「豊田(
豊田清)コーチとは内容が全然違いますから」と謙遜するが、存在感は前記録保持者の現役時代とそん色ない。絶対的と呼んで差し支えない守護神だ。
栗山巧[野手] 自身初の四番弾も放った19年目のベテラン 19年目のベテランが打線を牽引した。打率.272はチーム1位。キャリアハイに並ぶ12本塁打、得点圏打率.330と勝負強さも見せたのが栗山巧だ。9月からは主にクリーンアップに起用されると、残り15試合では四番に。11月3日の日本ハム戦(メットライフ)では自身初の四番弾で2位浮上に貢献した。「何とか仕事をしたい、と。それだけ」。今季は101安打を記録し、生え抜き初の2000安打まで残り74本。来季もチームの中心として活躍する。
2020ライオンズ 5大TOPICS
1.119試合目でCS進出逃す 11月8日のロッテ戦(ZOZOマリン)に敗れて3位が確定。クライマックスシリーズに進出することができなかった。
2.絶対的守護神がFA宣言残留 セーブ王に輝いた増田達至が国内FA権を行使して残留を表明した。6年連続で主力がFAで流出していたがストップ。
3.所沢本拠地移転後3000 9月23日の日本ハム戦(メットライフ)に勝利し、1979年に
西武ライオンズとなってから通算3000勝をマーク。
4.”指揮官が通算300勝” 10月27日の楽天戦(メットライフ)に勝ち、辻発彦監督が537試合目で通算300勝。球団では
三原脩監督に次ぐスピード記録。
5.松坂大輔が現役続行 14年ぶりに古巣復帰も7月に頚部の手術を受けるなど一軍未登板。だが球団は契約を延長し、来季復活を後押しする。
L坦選定! 2020 MostImpressive GAME
8.27対日本ハム@メットライフ 弟分の心を救った長距離砲の逆転サヨナラ打 昨季のMVP男の涙が印象的だった。8月27日の日本ハム戦(メットライフ)、開幕から不調に苦しんでいた森友哉が6対4とリードした7回からマスクをかぶった。だが、8回にギャレットの乱調もあり、3点を奪われ逆転を許す。肩を落とす森を救ったのはドラフト同期で自主トレをともに行う兄貴分の山川穂高だった。9回裏、一死満塁のチャンスで逆転サヨナラ打。歓喜に沸くナインの中で森は涙に暮れた。「ただ、悔しかっただけ。(新人の)柘植(
柘植世那)が初先発マスクで、自分がかぶってから逆転されて悔しかった」(森)。殊勲の山川は「捕手として、選手会長として、アイツが一番苦しいと思うが、こうやって助け合っていければ」と弟分を思いやった。