課題を克服できないまま、シーズン後半の失速も響いて2年連続5位に沈んだ。結果を残した主力に対して若手の成長が乏しく実力差も大きい現状。チーム力全体の底上げが、2021年の巻き返しには必要不可欠だ。 [2020年成績]※成績部分の数字はリーグ順位
53勝62敗5分 勝率.461
493得点(3)、528失点(5)、打率.249(2)、75失策(6)
89本塁打(6)、80盗塁(5)、防御率4.02(4)

再び浮上するために、栗山監督は強い決意で来季に臨む
若手の台頭が急務
2020年は、近年の課題を解消できないまま、昨年に続き5位という結果に終わった。北海道移転後初の2年連続Bクラス。19年シーズンと同じような展開となってしまった。
6月19日の開幕から8月までの62試合は29勝30敗3分で4位。ほぼ5割をキープした。一方で、9月からの戦績は58試合で24勝32敗2分。シーズン後半に限ってはリーグ最下位となる借金8を抱えて沈んだ。夏場に失速して5位に終わった19年と同様、20年はコロナ禍でずれ込んだ“勝負の秋”に勢いをなくした。
低迷の原因は複数ある。体力的、精神的なスタミナ不足に加え、若手選手育成の停滞も、その1つだろう。
投打の若手で台頭の兆しを見せたのは
平沼翔太、
野村佑希、
福田俊ら少数。チーム力の底上げがほぼなく、主力と控えの実力差も大きい現状が19年と変わらない状況では、さらに過密日程となった20年の終盤失速は当然の結果だった。
野手陣では
中田翔、
大田泰示、
西川遥輝、
近藤健介、
渡邉諒という主力5選手は期待通りの働きを見せたものの、続く若手が出てこなかった。この5選手に次いで打席数を与えられた
清宮幸太郎も攻守で精彩を欠き、持ち味の長打力も7本塁打止まり。6連戦が続く異例のスケジュールで主力を休ませながら戦う中で、代わりの選手たちが特にシーズン後半は活躍しきれなかったことも、チーム失速の原因となった。
ディフェンス崩壊
これまでチームを支えてきた実績のあるリリーフ陣が実力を発揮できなかったことも、大きな痛手だった。開幕前から右ヒジ痛を抱えていた
石川直也はシーズン途中でトミー・ジョン手術を受けた。19年に続いて守護神を任された
秋吉亮は本調子にほど遠く、9月以降はクローザーから配置転換。百戦錬磨の
宮西尚生が抑えに回ったが、強みだったリリーフ陣全体のバランスが崩れ、不安定なブルペンとなった。
伝統的に強かったディフェンス面も崩壊した。遊撃手と捕手は攻守で突出する選手が台頭せず、チーム失策数(75個)もリーグワースト。チーム防御率は4.02と、04年以来16年ぶりとなる4点台だった。
助っ人勢は、来日1年目の
バーヘイゲンがチームトップタイの8勝を挙げる活躍を見せるも、同じく先発を任された
マルティネスは期待を大きく裏切り2勝止まり。他3選手も実力が発揮できず、コロナ特例による外国人枠拡大も生かせなかった。
課題は山積するが、開幕戦でスタメン抜てきされ高いポテンシャルを見せた野村の打撃力や、
吉田輝星の直球の力強さなど、来季以降へ楽しみな逸材がいることも間違いない。新陳代謝の激しいチームなだけに、豊富な経験を積んでいる若手選手も多い。簡単に主力に追いつくことは難しいが、ポジションを奪おうとするハングリー精神を胸に、1人でも多くの新戦力が台頭することが、低迷からの巻き返しへは必要不可欠だ。投打の柱がチームを去る可能性もあるだけに、自慢の育成力を発揮し、世代交代を図りたい。
栗山英樹監督の続投が決まり、指揮官にとっても勝負の10年目を迎える2021年。チーム一丸となって背水の陣で新たなシーズンに臨む。
躍り出た次世代ホープ・野村佑希内野手 輝き放った四番候補
開幕スタメンに抜てきされた高卒2年目の新鋭が希望の光となった。7月2日の
ソフトバンク戦(札幌ドーム)では、
バンデンハークからプロ初本塁打、7対8で迎えた9回裏には、守護神・
森唯斗から中堅フェンス直撃の逆転サヨナラ二塁打を放つ活躍を見せた。その後、7日の
オリックス戦(京セラドーム)で守備時に右手小指骨折の不運に見舞われ長期離脱したが、10月上旬には実践復帰。11月1日の本拠地最終戦では自己最多の4打点と大暴れした。逆境から這い上がる強さも備えた新星の活躍に、21年も期待がふくらむ。
編集部考察 2020のターニングポイント 「勝利の方程式」封印で痛恨の黒星

8.27 メットライフ
初の5連勝を懸けて臨んだ8月27日の
西武戦(メットライフ)だったが、9回に
山川穂高のサヨナラ打(写真)が出て逆転負け。この黒星が大きな分岐点となった。前日の試合まで2連投していた
玉井大翔、宮西尚生、秋吉亮の3投手に休養日を与え、「勝利の方程式」を封印。6連戦が続くシーズン折り返し地点でもあり、指揮官は勝負どころをまだ先にあるとにらんでの3連投回避だったが、結果的には逃げ切りに失敗した。前日、3位に浮上して勢いに乗りかけたがまたも4位転落。この敗戦を起点にチームは下降線を辿っていった。
2020基本布陣