ここからは気になる3つのテーマをピックアップし検証したい。まずは現代野球で重要なカギを握る勝ち試合の7、8、9回の継投、つまりは12球団の「勝利の方程式」からだ。果たして思惑どおり固まったのか、それとも誤算が続いているのか。編集部で開幕時点の各球団の構想を探ってみた。 ※情報は3月13日現在。年齢は開幕時点 【パ・リーグ編】はこちら ヤクルト・幾多のピンチを乗り越えたタフネス3人衆
新型コロナウイルスの影響で出遅れていた守護神のマクガフが3月11日に今季初登板。前年日本一の立役者となった救援陣がそろって開幕を迎えることができそうだ。今野龍太は、走者を置いた場面での登板も問題なし。サイドハンドの
大下佑馬や左腕の
坂本光士郎なども含め、7回は先発投手の状態、打者との相性を考えながら臨機応変に起用ができる。セットアッパーの清水昇は史上初の3年連続最優秀中継ぎ投手賞の快挙達成へ万全の仕上がり。マクガフに危なげなくつなぐ。懸念点は今野、清水、マクガフの3選手がそろって前年登板数が60試合超えで、蓄積疲労がどれだけ影響を及ぼすか。経験豊富な
石山泰稚、左腕の
田口麗斗といったメンバーや、2年目のドライチ右腕・
木澤尚文などが勝ちパターン入りを狙いつつ、ブルペンを支えたい。
7回・今野龍太[26歳/右投] MAX◆154キロ
勝負球◆ストレート
投球スタイル◆空振りを奪えるノビのあるストレートが一番の武器。また昨季64登板で被本塁打1と、制球力だけでなく力強さも持ちあわせる。イニング途中の登板にも動じない。
【2021年成績】64試合登板7勝1敗0S28H、防御率2.76
8回・清水昇[25歳/右投] MAX◆151キロ
勝負球◆フォーク
投球スタイル◆ストレートとフォークのコンビネーションで打者に立ち向かう。躍動感あふれるフォームと、感情を爆発させたガッツポーズは、チームの士気をMAXに高める。
【2021年成績】72試合登板3勝6敗1S50H、防御率2.39
9回・マクガフ[32歳/右投] MAX◆157キロ
勝負球◆ストレート
投球スタイル◆弾丸ストレートを軸にし、フォークとスライダーで打者から空振りを奪う。走者なしの場面でクイック投法を用いるなど、投球バリエーションも豊富。
【2021年成績】66試合登板3勝2敗31S14H、防御率2.52
阪神・期待の若手を抜てきし新勝ちパターン
昨季3年目で初一軍、わずか3試合登板の若手を7回に抜てきする。湯浅京己が7回に入り、2005年優勝時の
藤川球児のような活躍を見せてくれるはずだ。140キロ台後半の真っすぐながら球威は150キロに感じ、フォークのキレ味が鋭い。オープン戦でも4試合で無失点と好調。「湯浅ならそれくらいは当たり前」とは
矢野燿大監督。8回には安定感抜群の左腕・岩崎優がセットアッパーとして入り盤石だ。そして3月10日にチームに加わったケラーが新クローザー候補。12日のシート打撃では3人に8打席対戦し安打性は3本も「一個一個のボールは
ロベルト・スアレスの穴を埋めるようなものがある」と矢野監督は高評価。最速157キロの真っすぐに・・・
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