前号(5月18日号)の続きです。前編ではややトルネードするため、体をひねった分、逆の動きも必要になり、このタイミングを合わせる作業は特に難しいので、フォームの再現性にやや心配があることを解説しました。 
【チェックポイント】[2](前編)スタートで両足がクロスする×[3](前編)視線を落として重心位置をキープ[4](前編)左足の回し上げはムダな動き

【チェックポイント】[5](前編)ややトルネード[6]ハンズセパレーション早い◎

【チェックポイント】[8]軸の傾き◎[9]右ワキのスペース◎[10]ヒジがボールよりも先に上がる×

【チェックポイント】[13]軸足ヒザが落ち、お尻も落ちる

【チェックポイント】[14]リブダウンができていない
【ポイント】ヒジとボールの位置関係
写真6以降から触れていきます。写真6ではグラブからボールを離し(ハンズセパレーションが早い)、写真8、写真9のように軸の倒しは素晴らしいと思います。この間、右腕を体から離していき、写真9のように右ワキの下に空間を作るのも良いですね。ただし問題はこのあとです。
写真10の形が顕著ですが、ヒジとボールの位置関係が逆ではないでしょうか。ボールをヒジよりも先に(肩のラインよりも上に)上げていかないと、写真11にかけてその位置関係を逆転させる際に、肩(の内部)を痛める原因となってしまいます。写真9の形から、ヒジではなくボールを上げていく。この形に持っていってほしいと思います。東浜選手は18年(※19年は右ヒジを手術)に肩を痛め戦列を離れた時期もあったので、少し心配です。
下半身の動きにも気になる点が散見されます。写真11以降に注目してください。ステップ幅が非常に広く、ここでうまく軸足(右足)股関節から左足股関節へとシフトチェンジができればいいのですが、写真11、写真12で軸足ヒザが折れたために右のお尻(腰)が下がり、シフトチェンジが不完全なまま、写真13、写真14のリリースを迎えてしまいました。写真12の時点で軸足を伸ばすことができれば右のお尻(腰)は高い位置をキープでき、ベルトのラインが右下を向きます。そこからの回転で左股関節へとうまくシフトチェンジができるはずですが、東浜選手の場合はそうなってはおらず、軸足に全体が引っ張られることでリリースポイントが理想とする位置よりも手前に。また、写真12で張った胸も、本来ならば写真14に行くまでに、中へ入れ込まなければいけない(リブダウン)のですが、それもままならず、打点も低いものになってしまいました。リブダウンができていれば写真15では背中が丸くなるものですが、真っすぐなまま。ボールの威力(球威)という部分にもかかわってくる問題だと思います。
ちなみに、フィニッシュ後の写真16ではしっかりと左足にシフトチェンジができていて、上半身も地面に水平になるくらいに倒せているのはいいのですが、これではタイミング的に少し遅い。最後にこの形に持っていけるのですから、もったいないですね。
開幕は6月中旬以降となりそうですが、東浜選手は本来の開幕であったならば開幕投手候補でもあったそうです。力のある投手ですから、17年(16勝で最多勝)のような活躍を期待したいです。ケガだけには注意です。(フォーム解説=
藪恵壹)
PROFILE 東浜巨/ひがしはま・なお●1990年6月20日生まれ。沖縄県出身。183cm78kg。右投右打。沖縄尚学高では3年春のセンバツで優勝。亜大に進み、4年間でリーグ記録の22完封を達成。13年にドラフト1位で
ソフトバンクに入団。4年目の16年に先発ローテで9勝、翌17年は16勝で最多勝に輝くも18年、19年は故障に悩まされた。2019年の成績は7試合2勝2敗0S0H、26奪三振、防御率6.37