存在感は際立っていた。ドラフト1位左腕・
松永昂大。ルーキーイヤーからその才能をいかんなく発揮し、チームの3年ぶりとなるAクラス入りに大きく貢献した。
デビュー戦は、3月29日の
オリックスとの今季開幕戦(QVCマ
リン)。中継ぎで1回1/3を無失点と好投した。その後は主にセットアッパーとしてフル回転。8月8日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)は1点リードの9回一死二、三塁の場面からマウンドに上がり、見事な火消しでプロ初セーブ。強心臓ぶりを見せつけた。先発陣のコマ不足から、8月30日の
日本ハム戦(QVCマリン)で先発に転向し、プロ初先発で白星を手にしてチームの危機を救った。「1年目から先発、中継ぎ、抑えのすべてのポジションで投げさせてもらったことはすごく大きいですね」。“万能左腕”にとっても充実のシーズンだった。
入団前には不安も抱えていた。所属していた大阪ガスが集団賭博問題で活動を休止。松永も夏以降は練習時間を奪われた。「不祥事もあって練習ができなかったので、正直1年間やれる自信はなかった」。そんなマイナス要素を能力でカバー。58試合に登板し、4勝1敗28ホールド1セーブ、防御率2.11という新人離れした成績でMVP級の活躍を見せた。
チームはCSファイナルステージで敗退したが、うれしい知らせも届いた。侍ジャパン・小久保新監督の初陣となる台湾遠征メンバーに選出されたのだ。「うれしいです。海外の野球に触れるのが楽しみ」。初めてソデを通すジャパンのユニフォーム。日の丸を背負う経験が、“強心臓左腕”のスケールをさらに大きくさせそうだ。