5年目の大砲は新ポジションで宿敵たちに勝ち、定位置を奪い取れるか。今シーズン
筒香嘉智は内野から外野にコンバートされた。左翼を守ることになりそうだが、ベテランの金城や多村、松本、新人の関根ら外野陣の競争は激しい。「チームに貢献するのが一番」と話す筒香は強い気持ちでシーズンに挑む。
筒香の最大の持ち味は打撃。97キロのがっちりとした体格から力強いスイングを繰り出す。ほかの選手にはないストロングポイントをいかに発揮できるかがレギュラー奪取のカギになる。
2月11日の紅白戦では早速、強烈なアピールに成功した。「初めての実戦。どんどん打っていかないといけない」。1回に左前に運ぶと、3回には三塁打をマーク。6回にも中前打といきなり猛打賞の大活躍。大振りせずきっちりボールをとらえて安打を次々と重ねた。「やっぱり本塁打だけ狙ってもいけない。当たれば本塁打という感じですね。打率が下がれば打点は稼げない。率も残して打点も挙げないと」と冷静に分析していた。
昨季はわずか23試合で本塁打は1。ベテランの中村が三塁の定位置をつかみ、オフには
バルディリスが新加入した。内野にこだわり続ければ与えられるチャンスが一気に減る可能性もあったが、心機一転、新しいポジションに挑戦し活路を見いだそうとしている。
守備以上にどれだけバットで存在感を見せられるか。それが今季の筒香の課題だ。思い描く打撃を実現させようとキャンプでは連日、ひたむきに取り組んでいる。「開幕を迎えるまでにアピールしていかないと。できることを続けていい形で開幕を迎えたい」と言葉に力を込めた。