新たな気持ち、新たな場所で、新しいシーズンに挑んでいる。
川端慎吾は、昨年6月にタレント・水野今日香さんと結婚。そして開幕直前の3月20日には、第1子となる長男・皆翔(みなと)くんが誕生した。
「初めて抱いたときは、本当に自分の子なのかなって。すごい不思議な感じでしたね。これでスッキリ開幕を迎えられます」
守るべきものが増えたプロ10年目の今季は、これまであまり馴な染じみのなかった「二番」という打順を任された。
真中満新監督は就任当初から、一番・山田、二番・川端の攻撃的コンビを描いていた。
「単純にいい打者を前から置きたいと思っていたし、後ろに川端がいることで、山田と勝負せざるを得ない状況を作れる。それに川端は足も速いから併殺になることも少ないからね」と理由を説明する。
昨年は主に三番で打率.350を残した川端自身も「二番という意識は全くない。三番のつもりぐらいで打席に入っています。ただ1つ前を打っているだけ。もちろんサインでバントが出ればしますけど、何も変えてないです」と新しい役割に手応えを感じている。「二番・川端」の効果が発揮されたのが、3月1日の
巨人とのオープン戦(東京ドーム)だ。7回二死一塁から山田が中前安打で一、三塁に好機を広げると、川端が右前へ適時打をマークした。
「(山田)哲人が出て、しっかり返せたのは最高の形。シーズン中もこういう形を多く作っていきたい」とイメージはすでにできている。
昨年はチーム順位は最下位だったが、チーム打率.279はリーグNo.1。「1本でも多くヒットを打って、優勝に貢献したい」。下克上Vのカギは、川端が握っている。