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唐川侑己投手・万全で開幕のはずが…

 



 開幕ローテーションを任されながら、1試合に投げただけで二軍調整を余儀なくされた。唐川侑己は4月2日の日本ハム戦(QVCマリン)で3回1/3しかもたず、9安打3四球で8失点。登板後は「まだ冷静に振り返ることができず、言葉が出てきません……。すみません……」とコメントするのがやっとだった。

 2回に3点を失ったのを皮切りに、ズルズルと打たれ続けたのが問題だった。落合投手コーチは「打たれることは誰でもあるけど、止めようという気持ちが見えなかった。みんなで戦っている以上、それじゃダメ」と突き放した。唐川は決して気迫を前面に押し出して投げるタイプではない。それだけに「ポーカーフェースなら、しっかり抑えないと」と苦言を呈した。

 春季キャンプで右内転筋の張りを訴えて調整が遅れていたものの、オープン戦では徐々に調子を取り戻していたはずだった。開幕を控えた3月22日の巨人戦(東京ドーム)では5回を投げて4安打1失点。課題に挙げていた体のキレも感じ取り「開幕に向けていい準備ができた。遅れた焦りはなかったけど、まとめられて良かった」と口にしていた。しかし、積み上げた自信を一気に打ち砕かれた。

 二軍でのメドについて、落合コーチは「じっくり、なんて言ってたら終わっちゃう。今が分岐点。危機感を持ってやらないと」と自覚を求めた。背番号19にとって、4勝に終わった昨季から巻き返すために迎えた新シーズン。早々に離れた表舞台に戻ってくる条件として、落合コーチは「圧倒的なピッチングを見せないと。もたもたしてるようじゃダメ」。投手陣を預かる立場から、早期の復活に期待を込めた。
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