決して多くはない出番の中で存在感を発揮している。即戦力内野手として開幕一軍をつかんだドラフト1位の
中村奨吾。主に守るセカンドにクルーズ、サードには今江と主力が座るため代走や守備からの出場がほとんどだが、初スタメンとなった4月8日の
オリックス戦(京セラドーム)でプロ初安打。限られた機会でアピールを続ける。
印象深い輝きを見せたのは、初めて一番打者として先発出場した4月30日、本拠地QVCマリンでの
西武戦。1回にルブランから先制の先頭打者弾を放った。高めの球をたたき、舞い上がった打球が右翼ポール際に飛び込んだ一発に「ライトフライかなと思ったけど、風に乗ってくれた」。ルーキーが初回先頭打者本塁打でプロ1号をマークするのは、2リーグ分立後、史上6人目の快挙だった。
早大で主将を務め、大学日本代表では四番も張った実力者だ。チームに6カードぶりの勝ち越しをもたらし「1打席目からどんどん振っていこうという気持ちがホームランになった」と積極性が光った。オープン戦の時期に伊東監督が「足も使えるし、打撃も一発がある。守備も堅実だし、魅力のある選手」と評価していた力を、公式戦でも確かに披露した。
球場に観戦に訪れた両親の目の前での活躍でもあり「いいところが見せられて良かった」と素直に喜んだ。言うことなしに思える一日だったが、試合後のお立ち台では「その後の3打席、三振という結果になってしまった。もっともっと練習して、次はすべていい内容でヒーローになれるように頑張りたい」と尽きない向上心を口にした。その姿勢があれば、今後もチャンスは増えていくだろう。