
復調へ向けて手を打ってはいるが……
信じられないような数字が並んでいる。
楽天の守護神・
松井裕樹は、5月4日の時点で11試合に登板。0勝3敗2セーブ、防御率6.55と不本意な成績が残っている。11度の登板機会で、いずれも1イニングを投げ切っているが、無失点は4試合だけ。特にセーブ機会での無失点は1試合だけと、苦しい登板が続いている。
いきなりつまずいた。3月30日の
ロッテとの開幕戦(ZOZOマリン)、チームは8回に
銀次の右中間2点三塁打で逆転。2対1と1点リードで、9回のマウンドが松井に託された。しかし、先頭の中村に中前打を許すと、犠打で一死二塁から鈴木に同点の右前適時打。チームは延長12回、5時間の死闘を制して開幕勝利を飾ったが、不安を残すスタートとなった。
なかなか波に乗れない。2度目の登板となった4月3日の
日本ハム戦(楽天生命パーク)は、両軍無得点で迎えた9回、2点を奪われ負け投手。7日の
ソフトバンク戦(同)でも同点の9回に登板し、1失点で2敗目を喫し「もう少し早いカウントで勝負できればよかった」と悔やんだ。11日の
オリックス戦(京セラドーム)でも9回に1点差を追いつかれ、4度目の救援失敗となった。5月4日の
西武戦(楽天生命パーク)では5対5と同点の9回に登板。二死二塁からワンバウンドの球で空振り三振を奪うも、捕手がこれを大きく弾いて二走の生還を許した。チームは敗れて通算1000敗目。松井の1イニング4奪三振という記録が虚しく残った。
キャンプから取り組んできたワインドアップを一時的に封印し、セットポジションに戻すなど、復調へ向けて手は打っている。梨田監督は「実績のある投手だから心配していない」と信頼を寄せるが、巻き返しには守護神の完全復活が不可欠だ。
写真=井沢雄一郎