
向上心は失わない
劇的かつ、メモリアルなアーチで試合を決めた。9月4日に行われた
広島戦(神宮)の9回二死満塁。7対7と同点の場面で
山田哲人が打席に立つと、左翼席へ今季33号目となるグランドスラムをたたき込んだ。最下位に沈んでいたチームだが、背番号1の一振りで本拠地の燕党を大いに沸かせた。
「自分が決めるという気持ちで、強い打球を打とうと思って打席に入りました。自分のスイングができたかなと。今年一番気持ちよかったです」
大台に乗せた。左腕・
フランスアの直球を仕留めた一発で、通算200号に到達。27歳1カ月での達成は
西武・
清原和博(24歳10カ月)、
巨人・
松井秀喜(25歳3カ月)、巨人・
王貞治(25歳3カ月)、東映・
張本勲(26歳11カ月)に次ぐプロ野球史上5番目の若さとなった。「まさか(200号を)打てるとは思っていなかった。うれしいの一言しかない」と喜びをかみ締めた。
常に高い目標を置き、挑んできた。今季は日本球界初の「40本塁打&40盗塁」のフォーティー・フォーティーと世界初となる4度目の「トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)」を掲げた。
結果、9年目の今季は142試合で打率.271、35本塁打、98打点、33盗塁。どちらも達成できずに終わったが、高みを目指してきたからこそここまでの数字を積み上げることができた。向上心を持ち続け、さらなる偉業とチームを救う打撃を見せる。
写真=BBM