
キャンプで着実に評価を上げている森
与えたインパクトは計り知れなかった。
ラミレス監督の言葉が象徴していた。「すごく大人に見えた。高卒で来たとは思えないぐらい落ち着いていた。間違いなく、将来のスーパースターになれるだけのものを持っている」。2月8日に行われた紅白戦。注目を集めたのは
森敬斗だった。二軍から招集され「ちゃんとアピールしようという気持ちで臨みました」と集中。6回二死から代打で起用されると、いきなり結果を残してみせた。2ボールから右腕・
進藤拓也の直球を中前へ。プロ初打席初スイングで初安打を記録した。
「プロになりたい気持ちが強かった。1年目から一軍の試合に出て、長く結果を残せる選手になりたい」。昨年のドラフトで単独1位指名。将来の正遊撃手として大きな期待を背負った。託された背番号は
巨人・
坂本勇人や
ソフトバンク・
今宮健太らと同じ「6」。「6が似合う選手になる」と新たな一歩を踏み出した。新入団会見では「前日に考えた」と『泰銘』の造語で決意表明。「何事にも動じない。一つのプレーでファンに感動を与える」と具体的な目標を掲げ、強い責任感もにじませた。
遊撃はレギュラー格の
大和を中心に、
倉本寿彦や
柴田竜拓らで競争する構図。当面はファームで育成される方針だが、50メートル5.8秒、遠投120メートルの18歳には無限の可能性がある。19日、
ロッテとの練習試合(宜野湾)では初の一軍戦出場で1安打。21日の
中日二軍との練習試合(宜野湾)でも1安打&盗塁をマークするなど着実に結果を残している。
攻守走そろった左打ちの新鋭。不動のリードオフマンとしてベイスターズで一時代を築いた
石井琢朗(現巨人コーチ)のように、ハマスタを沸かせる日は遠くない。
写真=大賀章好