“故郷”に錦を飾るため、球宴の舞台に立つことはできるか。
高梨雄平は、今季も巨人の救援陣に欠かせない存在となっている。2018年に
楽天で球団最多の70試合に登板した左の中継ぎ左腕は、昨季途中に巨人へトレードで加入した。そこから44試合に登板し、2セーブ、防御率1.93の活躍を見せ、連覇に大きく貢献。今季も「防御率は変動するので(数字を)意識すると頭の整理ができなくなるけど、狙って0点台をやって一皮むけたい」と高い目標を掲げて臨み、ここまで29試合の登板で1勝1セーブ15ホールド、防御率は1.00と安定している。中でも対左打者の被打率は.095。驚異の数字を残している。
圧巻だったのは5月26日の楽天戦(東京ドーム)。5対2と3点リードで迎えた8回一死満塁で起用され、
島内宏明、
岡島豪郎(いずれも左打者)からわずか3球で2アウトを奪って無失点で切り抜けた。古巣との対戦で健在ぶりをアピールし、「最高にしびれる場面で登板があったので、抑えたいなという気持ちで(マウンドに)上がりました」と充実の表情を見せた。
今季はオールスターの第2戦がかつての本拠地、仙台の楽天生命パークで開催される。現状、ファン投票では5位以内には入っていないが、今やリーグを代表する“左キラー”ともいえる高梨は、監督推薦などで出場する可能性は十分にある。楽天時代を過ごした「第2の故郷」のファンも、新天地で輝く高梨の姿を待ち望んでいるはずだ。
写真=BBM