今季こそ、目標に掲げた30本塁打を達成すると意気込む山口
放物線を描くたびに期待が膨らむ。期待の若手が多くひしめくチームにあって精力的にバットを振り込んだのが
山口航輝だ。1月には同じ右打ちの長距離砲で昨季の本塁打王、
西武・
山川穂高と自主トレをともにし、“山川流”の風船を口にくわえて行う打撃練習も導入。風船を目一杯膨らませたところで息を止め、腹筋を自然と意識する下半身主導の動きを身に付ける練習法に加え、体の使い方やスイングの形、意識する打球方向などを学んだ。
成果は結果に表れている。2月15日の
ヤクルトとの練習試合(糸満)で2打席連続弾を放つと、18日の
楽天との練習試合(金武)でも左翼席に運び、19日のヤクルトとの練習試合(浦添)では中堅122メートルの芝生席に突き刺す一発。早くも本塁打を量産中だ。
本塁打への思いは誰より強い。「僕は、もともと率を残せるタイプではないので」と言い「率を気にして持ち味であるホームランが減ってしまうのは、ちょっと違う気がするんです」と長打力を求めてきた。昨季はチームトップの16本塁打をマークも、「30本塁打」を掲げていただけに当然、満足はしていない。今季も“30発”を目指すスラッガーは幸先の良いスタートを切ったが、昨季も2月に好調を維持しながら3月から調子を落として開幕スタメンを逃しただけに、真価を示すのは、これからだ。
おなじみとなったお立ち台で披露する特技の『川柳』は、優勝するまで封印すると宣言して挑む今季。すべて封印前に詠んだ一句『日本一 ファンと共に 見る景色』のため。春で終わらず、秋に輝く星となる。
写真=BBM