三塁ベースコーチがヘルメットをかぶっていなかったので、それに気が付いた三塁塁審がかぶるように注意しました。すると三塁コーチは「気を付けるから大丈夫だ」と言って、ヘルメットをかぶろうとはしません。この場合に、審判はどういう処置をとるべきでしょうか。 三塁ベースコーチに、あくまでもヘルメットをかぶるように指示すべきです。そして聞き入れない場合には退場させなくてはなりません。
2007年に行われたアメリカのマイナー・リーグの試合でのことです。三塁ベースコーチに立っていたマイク・クールボーが、打者が打ったライナーを頭部に受け、不慮の死を遂げました。その出来事をきっかけに、ベースコーチもヘルメットの着用を強制されるようになりました。現在、野球規則1.16(e)には、以下のように記されています。
「ベースコーチは、コーチスボックスにいるときには、防護用のヘルメットを着用しなければならない」 この規則が加わる以前から、バットボーイ、ボールボーイについては試合中のヘルメット着用の義務が規則書に明記されていました。しかし、クールボーコーチの死によって、一塁、三塁のベースコーチにも着用が定められたのです。亡くなったマイク・クールボー氏の実兄
スコット・クールボーは95、96年に
阪神の内野手としてプレーしていました。
もし、ベースコーチが審判の指示に従わなかったらどうなるでしょうか。[規則1.11~1.17]の[原注]として、以下のように記されています。
「審判員は各項に対する規則違反を認めた場合には、これを是正するように命じる。審判員の判断で、適宜な時間がたっても是正されない場合には、違反者を試合から除くことができる」 ですから、審判員の注意を受け入れなければ、退場処分となるのです。