メジャー・リーグで活躍する大谷翔平(エンゼルス)にあこがれて、花巻東高への進学を志望した。下級生時代に出世番号「17」を着けて順調に成長を遂げたが、エースとなって以降は試練の連続。しかし、それは夏へのステップととらえる。 取材・文=高橋昌江 写真=矢野寿明 
今春の県大会で自己最速147キロを計測。NPBスカウト陣の評価を高めている
それまで試合経過を眺めていたスカウトの動きが、一気に慌しくなった。バッグからスピードガンとビデオカメラを取り出し、一斉にマウンドに向ける。その先には、この春、最速が147キロに達した右腕の姿があった。
6月7日、春季東北大会2回戦。この日、きらやかスタジアムではプロ注目選手が続々と登場するとあって、NPB12球団22人のスカウトが集結していた。花巻東高と東北学院高(宮城)の2回戦。マリナーズ・
菊池雄星、エンゼルス・大谷翔平の出身校である花巻東高・
西舘勇陽がスカウト陣の対象選手だった。
西舘がマウンドに向かったのは、3対3の7回表途中。二死一、三塁で1点も許されない場面だった。相手の流れを止める役割だったが、東北学院高の六番・菅原聖人(3年)に「ストライクゾーンで打ち取るイメージ」(西舘)で投じた4球目のチェンジアップがレフト、センター、ショートの間にポトリ。不運な中前打で勝ち越しを許した。
「あと1アウトが欲しい、早く抑えたいと思って・・・
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