身近には偉大な先輩がいた。2学年上にDeNAで活躍する東克樹がおり2年間、同じ左腕の背中を見て学んできた。正真正銘のエースへ。大学卒業後のプロ入りを目指す上で、ラストシーズンにやり遂げなければならない“仕事”がある。 取材・文=佐伯要、写真=田中慎一郎 大学日本代表候補として選考合宿に参加。24人の代表入りはならなかったが、3日間、今後につながる経験を積んでいる
6月21日。神奈川県平塚市内のバッティングパレス相石スタジアムひらつかでは、49人が参加しての侍ジャパン大学代表の選考合宿が行われていた。
グラウンドの外野付近では、選手たちがウォーミングアップ。観客席から見ていた
日本ハム・大渕隆スカウト部長は「こういうとき、一人で黙々とアップしている選手は期待できる」と言った。
ほかの選手を気にする選手が多い中で、集団から少し離れている選手が何人かいた。立命大の左腕・
坂本裕哉もその一人だった。最速148キロの直球とスライダー、チェンジアップを操り、ストライクゾーンの内外角、高低、前後を使って打ち取る。スカウトたちが制球のよさとクレバーな投球を高く評価している投手だ。
坂本はストレッチポールの上に仰向けになり、お腹を押さえながら体の動きを確認していた。後で聞くと、「腹筋を意識してからダッシュに入ったほうが動きやすいので、ルーティンとしてやっています」と、当たり前のように答えた。その姿と言葉から、普段から自分で考え、自発的に練習していることがうかがえた。
練習に対する姿勢は、小学4年生で野球を始めたころから変わらない。玄洋少年野球クラブに入ると、すぐに、内村弘文監督から投手を勧められた。そのとき、「投手は勝敗を握っているから、誰よりも練習しなさい」と言われた。その言葉が・・・
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