
完投勝利で連敗を止めた小宮山(左は近藤監督)
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1998年7月9日だ。
この日、
ロッテの悪夢がやっと終わった。日本ワースト記録の連敗を18でストップさせたのはエースの
小宮山悟だった。
GS神戸での
オリックス戦、まず打線が爆発し、6回表まで大量8点をリード。しかし、その裏“精密機械”と言われる先発の小宮山が突如、乱れた。まさかの5連打を浴びて5失点。ロッテのリードは3点になったが、
近藤昭仁監督は自らマウンドに行き、「お前しかいない。踏ん張ってくれ」と声をかけた。
ここからが、さすがエースだった。続く一死満塁のピンチに
イチロー、
ニールの強打者を打ち取り、追加点を許さず。右ヒジに爆弾を抱えていた小宮山だが、140球を投げ、14被安打、6失点ながら完投。5月12日以来の6勝目をもぎ取った。
「6回は自分でも信じられなかった。何かに取りつかれているんじゃないかってね。勝ってよかったよ。今夜は興奮して眠れませんよ」と小宮山。近藤監督は「これから20連勝だ!」と気勢を上げた。
写真=BBM