
完全試合は逃したが完封でリーグ最多タイの16勝目を挙げた西口
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2005年8月27日だ。
この日、インボイスSEIBUドームで行われた
楽天戦、
西武先発の
西口文也は3回までノーヒット4奪三振。「完封するかもしれない」の期待を抱かせた。西口はその後も快調に飛ばし、6回を終えても一人の走者も出さない。7回はなんと3者連続三振。スタンドは「ひょっとしたら完全試合か」とザワつき始めた。
8回も3者凡退、これで24打者を完全に抑えた。9回になっても西口はいつもの淡々とした表情で、あっさり3人で片付けて、ついに“完全試合”。しかし、西武打線も楽天先発の
一場靖弘に8回までゼロに抑えられている。9回裏に1点を入れれば、カギカッコが取れて正真正銘の完全試合となる。
だが、西武打線が荒れ球の一場を打てず、無得点。大記録は延長に持ち越された。
が――。あっけないストップだった。10回表、先頭の
沖原佳典に124球目を右前打されて完全試合ならず。だが、西口は後続を抑え、10回を無失点で投げ切る。さすがに味方打線も奮起、10回裏のサヨナラ勝ちで西口の力投に応えた。
これまで2度、9回二死までノーヒットノーランに抑えながらも夢を打ち砕かれていた西口は「僕には縁のないことで……」と苦笑いだった。
写真=BBM