巨人の
ヘラルド・パーラや
阪神の
ジャスティン・ボーア、
オリックスの
アダム・ジョーンズなど、2020年シーズンは大物助っ人が多く加入した。来日1年目でのタイトル獲得が期待できる面々だが、加入した年にいきなりタイトルを獲得した助っ人外国人選手は、これまでに何人いるのかご存じだろうか?
セ・リーグではあの名助っ人も1年目でタイトル獲得
2リーグ制になった1950年以降、1年目でタイトルを獲得した助っ人外国人はセ・リーグ36人、パ・リーグ24人の計60人。まずはセ・リーグの36人を以下にまとめてみた。
ジョン・シピン(大洋・1972年)【ベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞】
ジーン・マーチン(
中日・1974年)【ベストナイン】
ローン・ウッズ(中日・1975年)【ダイヤモンドグラブ賞】
デーブ・ヒルトン(
ヤクルト・1978年)【ベストナイン】
ジョン・スコット(ヤクルト・1979年)【ダイヤモンドグラブ賞】
ウォーレン・クロマティ(巨人・1984年)【最多勝利打点】
R.ランス(
広島・1987年)【最多本塁打、ベストナイン】
ジム・パチョレック(大洋・1988年)【ベストナイン】
ラリー・パリッシュ(ヤクルト・1989年)【最多本塁打、ベストナイン】
ウェイド・ロードン(広島・1989年)【ゴールデングラブ賞】
バンスロー(中日・1990年)【ベストナイン】
R.J.レイノルズ(大洋・1991年)【ベストナイン、ゴールデングラブ賞】
ジャック・ハウエル(ヤクルト・1992年)【首位打者、最多本塁打、最優秀選手 】
ラリー・シーツ(大洋・1992年)【最多打点、ベストナイン】
ロバート・ローズ(横浜・1993年)【最多打点、ベストナイン】
テリー・ブロス(ヤクルト・1995年)【最優秀防御率】
ルイス・ロペス(広島・1996年)【最多打点、ベストナイン】
バルビーノ・ガルベス(巨人・1996年)【最多勝利】
ドゥエイン・ホージー(ヤクルト・1997年)【最多本塁打、ベストナイン】
レオ・ゴメス(中日・1997年)【ベストナイン】
ロべルト・ペタジーニ(ヤクルト・1999年)【最多本塁打、最高出塁率、ベストナイン】
メルビン・バンチ(中日・2000年)【最多勝利】
エディ・ギャラード(中日・2000年)【最優秀救援投手】
タイロン・ウッズ(横浜・2003年)【最多本塁打、ベストナイン】
グレッグ・ラロッカ(広島・2004年)【最高出塁率、最多打点】
セス・グライシンガー(ヤクルト・2007年)【最多勝利】
コルビー・ルイス(広島・2008年)【最多奪三振】
トニ・ブランコ(中日・2009年)【最多本塁打】
マット・マートン(阪神・2010年)【最多安打、ベストナイン ※安打記録更新による連盟特別賞も受賞】
ウラディミール・バレンティン(ヤクルト・2011年)【最多本塁打】
マウロ・ゴメス(阪神・2014年)【最多打点、ベストナイン】
呉昇桓(阪神・2014年)【最多セーブ投手】
クリス・ジョンソン(広島・2015年)【最優秀防御率】
マイルズ・マイコラス(巨人・2015年)【最高勝率】
アレックス・ゲレーロ(中日・2017年)【最多本塁打】
ネフタリ・ソト(
DeNA・2018年)【最多本塁打、ベストナイン】
セ・リーグ初の「1年目でタイトルを獲得した助っ人」はジョン・シピン。打撃タイトルは獲得できなかったが、ベストナインと現在のゴールデングラブ賞に当たるダイヤモンドグラブ賞を獲得した。以降もクロマティやパチョレック、ハウエルといった懐かしい名前が並ぶ。また、投手タイトルの受賞は1995年と意外と遅い。この年はブロスが最優秀防御率に輝き、翌1996年には暴投事件でも有名な巨人のガルベスが最多勝に輝いている。
パ・リーグは投手タイトル獲得者が極端に少ない
続いて、パ・リーグの24人を以下に紹介する。
ラリー・レインズ(阪急・1953年)【最多盗塁】
チャーリー・ルイス(毎日・1954年)【ベストナイン】
ロベルト・バルボン(阪急・1955年)【最多安打(当時は表彰なし)、ベストナイン】
ダリル・スペンサー(阪急・1964年)【ベストナイン】
ドン・ブレイザー(南海・1967年)【ベストナイン】
ジョージ・アルトマン(東京・1968年)【最多打点、最多安打(当時は表彰なし)】
ウェス・パーカー(南海・1974年)【ダイヤモンドグラブ賞】
ボビー・マルカーノ(阪急・1975年)【ベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞】
レロン・リー(ロッテ・1977年)【最多本塁打、最多打点、ベストナイン】
テリー・ウィットフィールド(
西武・1981年)【ベストナイン】
ケビン・ライマー(ダイエー・1994年)【ベストナイン】
トロイ・ニール(オリックス・1995年)【ベストナイン】
フリオ・フランコ(ロッテ・1995年)【ベストナイン、ゴールデングラブ賞】
ダリン・ジャクソン(西武・1995年)【ベストナイン】
ナイジェル・ウィルソン(
日本ハム・1997年)【最多本塁打】

西武・マルティネス
フィル・クラーク(近鉄・1997年)【ベストナイン】
ドミンゴ・マルティネス(西武・1997年)【ベストナイン】
李大浩(オリックス・2012年)【最多打点、ベストナイン】
ウィリー・モー・ペーニャ(
ソフトバンク・2012年)【ベストナイン】
ミチェル・アブレイユ(日本ハム・2013年)【最多本塁打、ベストナイン】
エステバン・ヘルマン(西武・2013年)【最高出塁率】
ケーシー・マギー(
楽天・2013年)【ベストナイン】
エルネスト・メヒア(西武・2014年)【最多本塁打、ベストナイン】
マイク・ボルシンガー(ロッテ・2018年)【最高勝率】
パ・リーグはセ・リーグの36人と比べて12人も少ない。
ブーマー・ウェルズや
ラルフ・ブライアント、
オレステス・デストラーデ、
タフィ・ローズ、
アレックス・カブレラといった偉大な助っ人外国人もいたが、彼らがタイトルを獲得したのは2年目以降。1年目からタイトルを獲得するのはそう簡単ではないのだ。また、投手タイトルを獲得した選手は2018年のボルシンガーただ一人。投手タイトルの獲得の難易度は、パ・リーグのほうが高いようだ。
加入したその年にいきなりタイトルを獲得した助っ人外国人選手は過去60人。果たして今シーズン61人目は現れるのか。まずは注目の助っ人外国人がオープン戦でどのような活躍を見せるのかに注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM