「将来性」と「即戦力」の見極め
ドラフト会議は10月11日、17時から東京都内のホテルで行われる。昨年に続き、新型コロナウイルスの感染予防対策から、会場には主催者、球団関係者ほかのみが入場できる。
2021年ドラフトの見どころを3点挙げる。
まずは、12球団同時入札の1位指名の動向だ。前日までに1位を公表しているチームもあるが毎年、各球団ともドラフト補強における最優先は「投手」となってくる。獲得方針は大きく、2つに分かれていきそうだ。つまり「将来性」と「即戦力」の見極めである。
◎高校生BIG3
◎大学生サウスポー
「高校生BIG3」とは明桜高の157キロ右腕・風間球打、市和歌山高の152ロ右腕・
小園健太、高知高の154キロ右腕・
森木大智の3人である。いずれも将来のエースとして期待される逸材。早ければ来シーズンの中盤にでも一軍デビューの可能性はあるが、まずはじっくり育成していくタイプと言える。
22年の開幕先発ローテーションを狙うのであれば「大学生サウスポー」が狙い目である。西日本工大の150キロ左腕・
隅田知一郎がまず、筆頭候補に挙がる。さらには筑波大の152キロ左腕・
佐藤隼輔、法大の152キロ左腕・
山下輝、関学大の151キロ左腕・
黒原拓未、創価大の152キロ左腕・
鈴木勇斗、新潟医療福祉大の150キロ左腕・
桐敷拓馬と好素材が多い。各球団とも「左投手は、何人いてもいい」という状況であり、第2回入札(外れ1位)を含めて、大学生左腕に1位が集中するかもしれない。

ドラフト会場は今年も、感染予防対策が徹底された中で開催される(写真は2020年)
次に連続指名である。花咲徳栄高(埼玉)は15年から昨年まで6年連続指名。過去には中京商高(1965〜71年)、愛工大名電(81〜87年)、大阪桐蔭高(2010〜16年)の7年が最長であり、同校は1位タイがかかる。今年は堀越啓太投手、
味谷大誠捕手がプロ志望届を提出しており、指名を待っている。
明大は10年から昨年まで11年連続指名は、最長記録を更新中だ。今年は
竹田祐投手、
丸山和郁外野手がプロ志望届を提出している。社会人ではJR東日本が2011年から10年連続指名。今年は153キロ左腕・
山田龍聖らが上位候補に挙がっている。
プレーボール以降の指名も
そこで、3つ目の見どころである。
JR東日本は今日、18時から都市対抗東京二次予選の第3代表決定戦(対セガサミー、神宮)を控えている。セガサミーにも右腕・
横山楓、内野手の北川智也とドラフト候補が在籍。勝てば東京ドーム進出、負ければ、最後の1枠である第4代表決定戦(12日、対明治安田生命)へと回る展開だ。つまり、是が非でも本戦出場を決めておきたい一戦である。
1位指名であれば試合前には、指名球団が決定しているが、2位以下だと、プレーボール以降が想定される。対象選手は目の前の試合にすべて集中しながらも、一方で自身の進路とも向き合うこととなる。
毎年、さまざまなドラマが生まれるドラフト会議。「運命の日」から、今年も目が離せない。
写真=小山真司、BBM