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[望郷コラム]

道産子作家が故郷の野球を思う

 

▲円山球場



元近鉄バファローズ応援団にして、札幌市出身のスポーツ作家・佐野正幸氏は、ふるさとである北海道に思いを馳せながら、プロ野球を見つめてきた一人だ。
そんな佐野氏に、故郷への思いを寄稿してもらった。


 2004年に日本ハム球団が本拠地を札幌ドームに移転させてから、明らかに道内の野球事情が変わってきた。04、05年と、駒大苫小牧高が夏の甲子園連覇を達成。この快挙は他府県校の初優勝とは絶対違う、あまりにも奥深い感慨があった。雪のハンディは厳しく、入場行進を見ても一回り小さい体格だった道内球児。昔は1回戦に勝つと号外が出た。筆者にしても甲子園優勝なんて夢のまた夢、近鉄日本一の方が間違いなく早いと思い込んでいたのだが、それはほとんどの道民野球ファンも同じ思いだっただろう。

 道内出身選手として筆者が特筆したいのは、2人。

 まずロッテの主軸打者として活躍した高沢秀昭(苫小牧工高→王子製紙苫小牧)。近鉄を悲劇の球団にしたのはこの人だ。88年10月19日、伝説の「10.19」第2試合で、近鉄の優勝を阻む同点ホームランを、時のエース・阿波野秀幸から放った。

 この試合では近鉄・鈴木貴久(旭川大高→電電北海道)、ロッテ・佐藤兼伊知(北海高)が活躍。その直前まで

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