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大瀬良大地を導いた担当スカウトの想い〜ドラフト史上初の“名場面”の裏側〜

田村恵[広島・九州地区担当スカウト]が語る「10.24」

 

ヤクルト広島阪神の3球団が1巡目で競合した九州共立大・大瀬良大地
153キロ右腕の行方を決める抽選箱の前に立ったのは、阪神・和田豊、ヤクルト・小川淳司両監督、そして、広島・田村恵九州地区担当スカウトだった。
スカウトがクジを引く事例は、もちろんドラフト史上初。
そして、同スカウトは見事に「交渉権確定」のクジを引き当ててみせた。ドラフト史に新たな“名場面”を刻んだ主役が、運命の「10・24」を振り返る。



 テレビで見慣れた両端の監督2人とは違い、中央に立ったメガネの人物に懐かしさを感じた高校野球ファンも少なくなかっただろう。今秋のドラフト、九州共立大・大瀬良大地の行方を決める抽選箱の前には、東京ヤクルト・小川淳司監督、広島・田村恵九州地区担当スカウト、阪神・和田豊監督の3人が並んだ。

「誰を指名するかは当日まで未定でしたが、(松田元)オーナーから『大瀬良君のときはお前が行け』と、数日前から言われていました」

 スカウトが指名競合でのクジを引いたのはドラフト史上初。広島・野村謙二郎監督が10年、12年(2度)と、計3度クジを外しており、「できれば僕は勘弁してほしい」と懇願したことが今回のドラマの始まりだ。長く選手を見続けてきた担当スカウトにとっては、身に余るほどの光栄だったが、同時に経験したことのない緊張感に包まれたという。

「会場に入ると・・・

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