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特集・熱闘プロ野球夏の陣

栗山ファイターズはミラクルを起こせるか!?

 

誰がここまでの追い上げを予想したであろうか。6月18日終了時点では34勝31敗1分け、首位を走るソフトバンクと11.5ゲーム差の3位だったファイターズ。だが翌19日からは約3週間に渡って勝ち続け、2007年に樹立した球団記録を更新する怒濤の15連勝!その後も勢いは止まらず、鷹を猛追している。ここでは7月29〜31日に札幌ドームで行われた天王山の模様と合わせて、栗山ファイターズ快進撃の要因と逆転Vの可能性に迫ってみたい。
写真=高原由佳、BBM

手のマメをつぶした影響で投手としての登板こそなかったが、打者としては2本塁打の活躍を見せた大谷翔平。進化する二刀流にホークスベンチもあらためて警戒を強めた


連日の大逆転劇で見せつけた底力


 逆転Vへのリアルな青写真が見えてきた。ソフトバンクとの天王山3連戦を2勝1敗で終えた。興奮気味に試合後の会見に臨んでいた栗山英樹監督は一瞬の静寂の後、ゆっくりと本音を明かした。

「言葉にすることではないけど、ここが大事と言ってきた。これで勝負できる」

 首位ソフトバンクを本拠地の札幌ドームに迎えた3連戦。7月31日の3戦目を劇的な逆転勝ちで制して、11カード連続の勝ち越しに成功した。突き放された最大11ゲーム差から3ゲーム差に。絶望的とも思えた独走を許していたライバルの背中が完全に見えた。

「オレはソフトバンクしか見ていない。そうじゃないとプロ野球じゃない」

 指揮官は常にネバーギブアップを公言してきた。開幕直後からパ・リーグ2連覇中のソフトバンクが圧倒的な力を見せて走り続けていた。完全無欠の盤石さにプロ野球ファンからペナント争いの興味が薄れかけていたのも現実だった。誰もが日本ハムがここまで猛追するとは予想していなかっただろう。しかし、ミラクル逆転劇の芽はすくすくと育っていた。ソフトバンクとの直接対決で3カード連続の勝ち越しを決めて7月を17勝4敗。完ぺきに手中に収めた勢い勝負では日本ハムに分があることを直接対決で見せつけた。

 7月29日からのソフトバンクとの3連戦。右手中指マメの負傷などで手負いの大谷翔平が先発マウンドを回避した。暗雲漂う不安要素を含んだ中で、初戦はエース格の有原航平で痛恨の逆転負けを喫した。直接対決の連敗を4でストップして気勢が上がるソフトバンクに流れは傾いたかに見えた・・・

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