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世界に挑んだ「侍ジャパン」高校代表

石川昂弥(東邦高/内野手) ケタ違いのスケール、不動の四番

 

第29回WBSC U-18ベースボールワールドカップが8月30日から9月8日まで韓国・機張郡で開催された。高校日本代表チームは、スーパーラウンドで惜しくも敗れ5位に終わったが、20人の精鋭は世界の舞台で大きな財産を得た。「運命の日」、ドラフト会議は10月17日。今号は、例年以上に逸材が集まると言われる高校生を中心に、有力候補を特集する
取材・文=岡本朋祐、写真=高原由佳

右のスラッガータイプの内野手はプロでは希少価値が高い。伸びしろも感じさせ、上位指名の可能性もありそうだ


 打撃練習に惚れ惚れする。石川昂弥は一人だけ打球角度、飛距離が異次元。

「木製バットのほうがスイングしやすい」。国内直前合宿でも異彩を放っていた。オリックス由田慎太郎スカウトは、滞空時間の長い打球を目で追いながら、こう話す。

「スケールが違います。180センチ以上の右打者のサードで、動けて、守れてスローイングも正確。正直な話、2018年のメンバーの中でもドラフト1位だと思っていました」

 昨年のドラフトは大阪桐蔭高・根尾昂(中日)に4球団、報徳学園高・小園海斗(広島)に4球団、大阪桐蔭高・藤原恭大(ロッテ)に3球団が第1回入札で競合した。つまり、この逸材と比べてもそん色ない、いやそれ以上と評価したのだ。

 今春のセンバツでは主将・エース・三番として30年ぶりの優勝へ導いた。全5勝を挙げれば、習志野高との決勝での2アーチを含む、3本塁打を記録。「二刀流」の活躍を見せたが、投手を務めたのはチーム事情からであり、石川としては将来的には野手として勝負したい意向が強かった。

 春夏連覇を狙った今夏は、あまりに早い結末を迎えた。星城高との愛知大会2回戦で8回コールド敗退(3対10)を喫している。「負けたときは実感がなかった。夏は何もできずに、とても悔しかったです」。しかし、次へ向けて切り替えに努めた。

「まだ、自分には高校日本代表でプレーする可能性、3カ月後にはプロを目指していたので、立ち止まっている時間はありませんでした・・・

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