高校BIG4と言われた4人のうち2人が阪神でチームメートとなった。高校時代から意識し、刺激をし合った間柄だ。近未来の阪神の先発マウンドで輝きを放つ瞬間を目標にお互いに切磋琢磨し、高め合う僚友としてプロ人生を歩んでいく。その2人が希望に満ちた未来を語った。 取材・構成=椎屋博幸 写真=早浪章弘(インタビュー)、梅原沙織 身も心もすでに不安なし
大きな声が鳴尾浜球場に響き渡る。そこに悲壮感はなく、はつらつとした姿があった。1月30日まで行われた新人合同自主トレで、西純矢も及川雅貴も離脱することなく、2月1日の球春を迎えた。その自主トレで進化する自分の体に手応えを感じ、プロ1年目を迎えた。 ──新人合同自主トレの様子を見ても2人の仲は非常によさそうでした。
西 仲はいいです。僕は、及川を中学のときから知っていました。中学生が元プロ野球選手と対戦するテレビの企画で出演していましたから。すごい投手が同級生にいるなあ、と。
及川 あの番組見ていたんだ(笑)。僕の場合は、中学の野球チームが無名だったので、そこまで周囲のことが分からなかったし、知りませんでした……西に関しては高校に入ってからは知っていました。
西 練習試合で投げ合ったことはないよね。初めて及川に会ったのは昨年の4月の国際大会対策研修合宿。第一印象は「デカいな」と。僕が合宿所の部屋に何かを取りに行ったときに、廊下で佐々木(
佐々木朗希=
ロッテ)、奥川(
奥川恭伸=
ヤクルト)と及川が3人で話していたんです。そこを通らないと部屋へと行けないのですが、何か圧迫感があって、イヤだなあと思いながら何も声もかけずそこを通りました。その後に石川(
石川昂弥=
中日)に呼ばれ、3人のところに連れていかれ、そこから仲良くなりました。
及川 西は、マウンドで投げている姿だけを見るとオラオラ系の性格なのかな、と思っていたんだけど、そんなことなく、心優しいし、普通の性格……いい意味でだよ。でも、面白いところもあるので、たまにイジッてます。
西 フフフフッ。僕も及川をイジるよね……2人とも両方ボケもツッコミもできる(笑)。そういえばドラフト当日、及川に電話したんだよね。
及川 僕が先に電話して、出なかったんじゃなかったかな。その後、お風呂に入る直前にかかってきた。
西 ドラフトの日は、ずっと取材が続いて、やっと終わったなあ、と思ってホッとしたら、「そういえば及川も一緒だ」と思い出して(笑)。
及川 電話では、(指名に)ビビッたね、(取材が)すごかったね、というような話だったはず。同じチームになれたので、気持ち的には心強かったというのはある。
西 僕も、すごく心強かった。それにほかの投手が持っていないようなボールのキレや回転数があるすごいピッチャーだから、余計にそんな投手と同じチームでやれるというのはいいな、と思った。(新人合同自主トレで)一緒にキャッチボールをやると、ボールがうなるようにくるから、いつも怖いんだよね。
及川 僕は西を客観的に見たら・・・
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