ひと昔前までは基本的にホームとビジター2種類だったが、今ではイベント&企画もの、限定ものなど1シーズンにいくつものユニフォームが作られている。そうした「百花繚乱」の時代を2人の“プロ”はどう見ているのか。2017年以来、3年ぶりとなるユニフォーム対談の幕が開ける。 取材・構成=滝川和臣、写真=椛本結城、BBM、Getty Images 2020年の傾向
──ラリーさんは今年、
楽天と
ヤクルトのユニフォームを手掛けられましたね。
ラリー 楽天は今年新しくなったホーム、ビジターの番号と名前の書体デザイン、ラインの入れ方などをアドバイスさせてもらっています。あと企画ユニフォームは僕がデザインしています。ヤクルトは今年は今のホーム、ビジターだけですね。
綱島 彼のデザインするユニフォームは好きだな。今はラケットライン(首回りから下にかけてのパイピング)のないユニフォームが一番カッコいいと思うんだけど、そのデザインだよね。
ラリー ありがとうございます。
綱島 楽天のカラーは濃くなったの?
ラリー 本来あるべき色に戻したという感じですかね。これまで気づかないうちに、明るくなっていたんです。本来のえんじ色から年々赤に近い色になっていて、今年からユニフォームのサプライヤーがミズノに変わるタイミングで元に戻そうと。
綱島 よくあるケースだ。経年変化で少しずつ色がズレてしまう。色だけじゃなくてロゴの形もそうで、
ロッテが着ていた1980年代の川崎時代のユニフォームなんかも時代によってロゴの形がちょっとずつ違ってるんだよね。スポーツ用品店が作っていく中で、ロゴの形が微妙に変わっていった。
ラリー メーカーが変わって生地が変わったりすると、同じえんじ色でも少しずつ変わってきてしまうんです。球団の担当者も変わったりするので、誰が悪いとかではなく、よくあることのようです。それをミズノに変わる機会に見直しました。
綱島 週ベの連載『ベースボール百科』で、ジャイアンツの「YG」マークの変化に触れたけれど、今でもそういうことがあるんだな。
ラリー ロゴなどの形に関して今はデータなので、ズレはないんですけど、色は変わってきますね。同じ色で作っても、綿やナイロンで発色が異なりますから。雑誌が色校正で色味をチェックするのと同じ感覚ですね。
──ほかの球団もビジターを中心に、新しいユニフォームとなりました。どんな印象ですか。
綱島 阪神のビジターがグラデになったり、さまざまな意見はあるとは思うけれど、こういう奇抜なことをやると・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン