ここでは歴代の開幕投手たちの歴史を振り返っていきたい。果たして、どのような思いを込め、どのような重圧と闘ったのか。 12年連続開幕投手を務めた阪急の山田[最後の86年]
“1球目”の快感
「昔はね、開幕ってプロ野球の華だった。いまよりずっと盛り上がったんだ。あの独特の雰囲気は何度やっても慣れるもんじゃないね。
それでプレーボールの一瞬だけは球場がシーンとする。打者も1球目は打たない。投手にくれるんだね。それだけの準備をしてきたことを分かってくれているんだろう。
だから決めていた。1球目は、ど真ん中にストレートを投げ込む。それでミットの音がバシッと球場に響き、アンパイアの手が上がり、ストライクを
コールするでしょ。それからワッとお客さんが沸くんだ。あの何とも言えない気持ちよさは、やったもんにしか分からんだろうね」
日本最多12年連続で開幕投手を務めた阪急(現
オリックス)のサブマリン、
山田久志の言葉だ。
初めて20勝以上を達成したのが1971年の22勝、翌72年も20勝したが、71年は
米田哲也、72、73年は
足立光宏が開幕投手だった。
最初のチャンスは、
上田利治監督になった初年度の74年だった。しかし・・・
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