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熱戦FOCUS 2021 Special

ペナント奪取へ再始動! 後半戦のKeyman【セ・リーグ編】

 

球界の“熱い夏”は、これからが本番だ。東京五輪開催による約1カ月の中断が明け、8月13日から後半戦が再開。セ・パともに混沌のペナント争いだけでなく、今季はクライマックスシリーズもファーストステージから開催とあってAクラス争いにも注目だ。残り60試合を切り、熱を増すペナントレース。後半戦最初の対戦カードで見えた12球団のキーマンを探っていく。
※情報は8月16日現在

阪神・大山悠輔[内野手]


【成績】76試合、打率.251、13本塁打、46打点、1盗塁

広島3連戦で3本塁打を放ち、四番らしい雰囲気を打席で放ちだした大山[写真=佐藤真一]


取り戻した四番の雰囲気

 自信に満ちあふれたスイングが帰ってきた。前半戦のような中途半端な打撃ではなく、迷いなくバットが振れている。四番打者としての意地がそこに詰まっている。

「たまたま打った感じではない。打球の角度、当たり方も良い。打てるポイントが広くなったり、ちょっとボールを長く見られたり、角度がつけられたり。だいぶ良い感じかな」と優勝争いが熾烈(しれつ)になる後半戦スタートの緊張の中、矢野燿大監督が四番・大山悠輔の出来に納得している。

 後半戦スタートの8月13日広島戦(京セラドーム)。5点を奪われた5回裏に豪快な一発を放ち、敗戦とはなったが、しっかり四番の存在感を示した。翌14日には2点をリードして迎えた4回裏、三番・サンズが3ランを放ち、点差を広げ相手バッテリーがガックリ来ているところで、左翼スタンド上段へ運ぶ2試合連続のソロ本塁打。さらなるダメージを広島に与えた。

 さらに、4点差に詰め寄られた7回裏。先頭打者として打席に立ち、バックスクリーンへ試合を決めるソロ本塁打を放った。ゲームの需要なポイントで効果的な打撃を見せ始め「甘く入ってきた真っすぐをしっかりととらえることができました。追い上げられていたので、追加点を取ることができてよかった」と納得の表情を見せた。

 前半戦は10本塁打43打点、打率.245と低迷。ケガもあったが不振で四番を外されたこともあった。新人の佐藤輝明、サンズ、マルテが好調のクリーンアップの中で、一人もがき苦しんだ。打席で四番らしからぬボールを追い掛けるシーンも多く見かけた。その反省を踏まえ、7月のシーズン中断期間に矢野監督など首脳陣と打撃フォームを修正した。

 その効果がすぐに表れた。後半戦開幕3試合だけだが、打席の中で貫録十分の振る舞いを見せている。外角のボール球も悠然と見送り、どっしりと構えている。まさに昨季のバットを振れば長打を放っていた絶好調時の雰囲気が後半戦の打席に出ている。この広島との3試合で打率.400、3本塁打3打点と数字がそれを表している。

 チームとしては広島に2勝1敗とまずまずの出だしだが、巨人も好調で3連勝。ゲーム差は1と詰め寄られた。それでも・・・

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