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2022魅惑のスタジアム 12球団本拠地ガイド

【MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島】街に溶け込む、みんなの憩いの場

 

新型コロナ対策の入場制限が緩和されスタジアムに熱気が戻ってきた。スポーツ観戦の醍醐味は、ライブ体験に尽きる。エースが気合いを吐き出しながら、ミットに投げ込む剛速球。四番打者がたたいた乾いた打球音。スタンドからの手拍子や拍手。どれも球場を訪れないと味わうことのできない、貴重な体験だ。過去2年、コロナ禍であっても12球団の本拠地は、新たなファンを迎えるために進化してきた。今号は「球場特集」として、スタジアムの魅力をお届けする。さあ、野球場に足を運ぼう!

MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島


 内外野天然芝の「緑」に、たくさんのファンが詰めかけ「赤」に染まったスタンド。晴れた日には空の「青」も相まって、目にも鮮やかなスタジアムは、ユニークで楽しさ満載、高い人気を誇っている。

 旧広島市民球場の老朽化に伴って新たに建設。球場建設の際に意識されたコンセプトは「ネオ・クラシカル様式」で、新しい球場の形を取り入れつつも、なおかつ伝統的、という考えが見事に具体化され完成した。

 日本では珍しい左右非対称の造りは、グラウンドの開放感、通風、街との一体感を確保するため。左翼側(北側)は一部外野スタンドがなく、球場外へ開かれた形になっている。また、ファンが迫力のあるプレーを楽しめるよう、ファウルグラウンドをできる限り小さくしてあり、かつ、一部を除き、内野フェンスはない。球場内を囲む1周約600メートルのコンコースは、内外野で仕切りはなく、フィールドをいろいろな角度から眺めながら周回できるのが魅力だ。

大きく開けた左翼側はJRの線路に隣接し、新幹線が通ることも[写真左]。新幹線の車窓からも球場内が見える[右]


 観客席にも、ファン目線でさまざまな工夫を凝らしている。1階スタンドは、比較的勾配が緩やかになっており、座席スペースもゆったり。2階スタンドは、フィールドを近くに感じられるよう、せり出した構造になっている。また、十分な車いすスペースを確保。バリアフリーというところでは、難聴のお客さんに対応する設備やオストメイト対応型多目的トイレなども設置。障害者・高齢者、小さな子ども連れの方など、誰もが利用しやすく、ユニバーサルデザインに配慮している。

 観客席のシートも多種多様で、グラウンドレベルの目線でゲームが楽しめる「砂かぶり席」は正面(ネット裏)、内野、外野に設置。それぞれ違った迫力満点の景色が広がるほか、シートにごろりと横になって観戦できる「寝ソベリア」や、バスタブ型でお風呂に入っている気分で観戦できる「バスタベリア」といった他球場にはない斬新な座席も用意されている。家族やファン同士、グループで観戦するためのテラス席やパーティーデッキもあり、今年度も、新座席として「パルテラス 6人掛け・8人掛け」、「オーサムロッジ 1塁側・3塁側」が登場。新型コロナ禍での観戦スタイルもいろいろと見えてきた中、子どもからお年寄りまで、みんなで楽しめるように。徐々に、以前のような雰囲気に戻りつつある。

 球団発足から年月を経て地元・広島だけでなく・・・

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