誰も想像しえなかった活躍だろう。今季、関根学園高から育成ドラフト2位で入団した滝澤夏央。イースタンで打率.234に過ぎなかったが、正遊撃手・源田壮亮の故障離脱もあり、5月13日に支配下昇格。即一軍に上がると、いまやチームに欠かせない戦力となっている。上位進出を狙う若獅子の光。その思いは一途だ。 取材・構成=小林光男 写真=桜井ひとし、榎本郁也 一軍選手はとにかく必死にプレーしている
5月13日の楽天戦(ベルーナ)。支配下昇格を遂げ、すぐに二番・遊撃で一軍の試合に出場した滝澤は逆転のきっかけとなるプロ初安打をマークしお立ち台へ。さらに翌日の同カード。7回に同点適時三塁打を放つと勝ち越しのホームも踏み、二夜連続のヒーローインタビュー。一躍、主役となった身長164センチの球界最小兵がまばゆいばかりの光を放った。 ── 一軍に昇格して1カ月が経過しました。現在はどのような意識で試合に臨んでいますか。
滝澤 本当にチームの勝利ために頑張りたいという気持ちだけです。楽しむ余裕はなく、ただただ自分の中では必死にプレーしています。
──
辻発彦監督は滝澤選手のことを「緊張しやすい性格」と言っていました。
滝澤 もう、毎試合緊張していて。でも、逆に緊張していないほうが自分としては不安というか。デビュー戦は味わったことのない緊張感でした。でも、試合が始まれば落ち着くので大丈夫です。
──ここまで早い段階で支配下に昇格し、一軍の試合に出られるようになるとは、想像以上ではないですか。
滝澤 そうですね。さすがに考えられなかったですけど、実際こうやって一軍の試合に出させてもらって本当に幸せだな、と。ただ、これからもっともっとアピールしないといけないと思っています。
──自主トレ時には「チャンスをつかんだときに確実にモノにしたい」と支配下昇格へのポイントを語っていました。
滝澤 自分の技術はまだまだなところばかりですけど、これまで小さいころから野球をやってきて、練習など何事にもしっかり取り組んできたと思います。そういった今までの行いというのが、運かもしれないですけど、出たのかなと感じるところもあります。
──保育園のころからプロ野球選手になる夢を思い描いていたそうですね。
滝澤 はい、そうです。ずっと「プロ野球選手になる」と言い続けていましたね。
──指導者や母親からは技術だけでなく、「人としてどう成長するかが大切」という教えも受け、落ちているゴミを拾うことなども率先して行っていました。
滝澤 僕は野球の神様がいると思うので、そういったのも含めて、今までやってきたことが良かったのかなと思います。
──もし野球の神様がいま願い事を叶えてくれるとしたら?
滝澤 いや、まずは自分の実力で結果を残したい。正直なところ・・・
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