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止まらない進化! 2023年の大谷翔平

<INSIDE REPORT>大谷翔平 2023年の成長を断言できる2つの根拠「変な話、そこに転がっている石ころを投げてくれと言われても、できるようにしないといけない」

 

二刀流として、メジャーの舞台で数々の記録を塗り替えてきた。これから迎える2023年、大谷翔平はどんな姿を見せてくれるのだろうか。まずは3月のWBC、そしてメジャー6年目となるシーズンでの活躍度を占う。
文=石田雄太 写真=Getty Images、BBM

3月のWBCでは指名打者として期待される。日の丸を背負った大谷はどんなプレーを見せるか


WBCでは登板も模索


 2023年の大谷翔平、最初の“本気”はエンゼルスではなく、ジャパンのユニフォームを着て発動されることとなった。14年ぶり、3大会ぶりの世界一を目指すWBCの日本代表。その一員として、大谷は栗山英樹監督とともに戦う覚悟を決めた。メジャー5年目のシーズンを終えた直後、大谷はこう話していた。

「WBCに関しては出たいなとずっと思っていました。前回、辞退したときは右足首を痛めてタイミングが合わなかっただけなので、出たい気持ちは今も変わらず持っています。ただ、無理ができる時期ではないので、ピッチャーのほうは慎重になりますね。体調がもろに直結しちゃいますから……バッターとしてなら僕は守備に就かないと思うし、DHなら体調には直結しないので、たぶん(笑)」

 その後、正式にWBCへの出場を決めた大谷は、日本代表、不動のDHとして全試合に出場することを前提に、ピッチャーとしての登板機会を模索することになるだろう。WBCにはバッターとして出るとしても、シーズンに備えてピッチャーとしての実戦は必要だ。宮崎合宿から日本代表に合流し、何度かブルペンで投げて、オープン戦で投げるが如くWBCで登板することは容易にイメージできる。短いイニングなら負担を減らすこともできるし、マイアミに舞台を移した準決勝、決勝でクローザーとしてスタンバイすることは十分、あり得るはずだ。

前回出場できなかった理由


 2017年、前回のWBCの直前、「日本代表は目標というより憧れ」だと話していた大谷にとって、あの出場辞退は断腸の思いだったに違いない。右足首に不安を抱えながらWBCへの調整を懸命に続けてきた。状態は一進一退、思うように動ける時期もありながら、それが長続きしない。右足首の後ろ側にある“三角骨”に骨棘(こつきょく)があって、それが痛むことが理由だったのだが、痛いのは投げにいくとき、リリースする瞬間だけだった。つまりピッチャーとしての出場は難しい状況にあったのだが、バッターとしての出場は可能だった。しかし、それは叶わなかった。なぜなら日本代表との間にミス・コミュニケーションが生じていたからだ。大谷は当時、こう話している。

「(WBCの一次ラウンド初戦、キューバ戦が行われる)3月7日に向けて・・・

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