Photos by Shinichiro Tanaka 天真爛漫 内川聖一が言う。
「あれだけ遠くに飛ばせる人って、バッティング練習をしていても楽しいでしょうね」
長谷川勇也が言う。
「バッターってボールをとらえることを第一に考えるから、あれだけ振るのは勇気がいるんです」
ソフトバンクが誇る2人のヒットメーカーが、自身の打撃論の範疇を超えて才能を認める存在だ。“全力プレー”の言葉を地で行く。走らせても、ボールを投げさせても、それは変わらないが、その魅力が凝縮されているのが豪快な「フルスイング」。
写真は空振り後のワンシーン。ここまで振り切るのは「えげつない打球」を理想とするからだ。今年、自主トレをともにした
糸井嘉男(
オリックス)が「日本人で一番飛ばす。バケモノ」と評したように、飛距離はプロでも突出している。
5月29日の
DeNA戦(横浜)で、内川が抜けた打線で三番を任された。「打順はあまり意識しないっす。関係ないっす。やるだけっす」。天真爛漫にプレーする25歳には「まだ若いから余計な責任を背負わせたくない」(
藤本博史打撃コーチ)というチームの親心も無用だった。52試合を終えて、打率.326、6本塁打、12盗塁。トリプルスリーも夢ではない。
▲やなぎた・ゆうき● 1988年10月9日生まれ。広島県出身。187cm95kg。広島商高-広島経大-ソフトバンク11年2位。外野手。背番号44