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楽天・星野仙一監督が休養へ

 

 コボスタ宮城のスタンドが、星野仙一監督の名前と背番号が入った「HOSHINO 77」のボードで埋め尽くされた。5月31日の広島戦の試合前、相手ファンを含めた来場者全員に配られた。指揮官が休養してから初めて本拠地に戻っての一戦。楽天ファンが陣取る左翼席から「頑張れ! 頑張れ! 星野!!」とエールを送る声援も上がった。敵味方関係なく、シーズン中に離脱を余儀なくされた闘将の1日でも早い復帰を願った。

▲チームに激震が走った指揮官の休養。チームも下位に沈んでいるだけに1日も早い復帰が待たれる



 指揮官はシーズン中に手術を受けるという重い決断を下した。5月26日のヤクルト戦(神宮)の試合前に休養を発表。一度はユニフォーム姿で球場入りしたが、とても指揮を執れる体ではなかった。診断の結果は「腰椎椎間板ヘルニア」と「胸椎黄色じん帯骨化症」の併発。立花陽三球団社長も「監督の健康が第一。治った上で戻って来てほしい」と球団として治療を最優先することを強調した。「骨化症」は背骨付近のじん帯が硬くなり、神経を圧迫するもので、厚生労働省が難病に指定している。難病とはいえ、治らないわけではない。だが、放っておけば歩行困難になる可能性もある。苦慮の末に決意を固め、現在は手術に向けた精密検査を行うため、都内で静養を続けている。

▲星野監督不在の間は佐藤義則投手コーチが監督代行を務めていく



 痛々しい指揮官の姿を象徴するように、チームの低迷も止まらない。5月は1度の連勝もなく終えた。その間、連勝を狙った8試合で7得点。打線が奮わないことが最大の要因だ。ユーキリスが左かかと痛で検査帰国し、銀次も交流戦前に腰痛で戦線離脱。主軸たちが次々とチームを離れ、今後にも暗い影を落としている。

 5月28日の巨人戦(東京ドーム)には、チーム宿舎で緊急ミーティングが行われた。立花球団社長は「今日から新たな開幕。監督は見ていますし、恥ずかしくないプレーを見せよう。負けたら(監督が世間から)何を言われるか分からない。昨季の日本一のチームのプライドを持って戦っていこう」と強い気持ちを持って戦うことを求めた。

 復帰は手術後、約1カ月が見込まれている。順調にいけば、球宴の前後から再び指揮を執ることになる。開幕前、星野監督は東日本大震災の復興メッセージとして「誰かの為に」と色紙にしたためた。今はチームが「星野監督の為に」と一丸となって、白星を積み重ねていくしかない。

▲ベンチに置かれた77番のユニフォームを見つめる則本。恩師のために5月28日の巨人戦[東京ドーム]では2試合連続の完封勝利と奮起した

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