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東京六大学春季リーグ・「陸の王者・慶應」がV奪還

 

病気療養中の竹内監督に捧げる6季ぶり34度目のリーグ制覇

 東京六大学の優勝争いは、早慶戦で勝ち点(2勝先勝)を奪った方が優勝。6月1日、慶大が早大に連勝して、6季ぶり34度目のリーグ制覇を飾った。「陸の王者」を率いた江藤省三助監督は、3万4000人の前で喜びを口にした。「ホッとした気持ちといいますか、特別な気持ちがあります。最高です」

▲勝ち点を取った方が優勝の早慶戦。慶大は早大に連勝して11年春以来、34度目のリーグ制覇を飾った。1回戦[3万3000人]に続き、2回戦も3万4000人の大観衆が神宮に集まった



 江藤助監督は昨秋限りで監督を勇退。12月1日に新監督として竹内秀夫助監督が昇格も、同月末に体調不良を訴えて入院。内臓疾患で手術が必要となり、長期離脱となった。急きょ“監督代行”を託された江藤助監督は、もともと守りを重視するスタイル。だが、投手のリーグ戦経験者が少ないことから一転、今春は「打の慶應」を目指した。12試合で60得点。竹内監督の長男・惇二塁手(4年・慶應義塾)は今季、レギュラーを獲得し打率.436、10打点のチーム2冠。強力打線をバックに、150キロ右腕・加藤拓也(2年・慶應義塾)が急成長し4勝無敗、防御率0.87でタイトルを獲得した。

 江藤助監督は「竹内さんは私の4年間、助監督としてやってくれた。病気をして、今度は私が助ける番」と話すと、言葉を詰まらせた。竹内監督は4月28日、無事に手術成功。この日は病室のテレビで優勝を見届け「全員が一丸となって戦った結果。そのチームを率いていただいた江藤監督には、心より深く感謝申し上げる次第です」と、野球部関係者へメールでメッセージを送った。同監督は今秋に、現場復帰する予定だ。
野球殿堂入り表彰式
学生野球に尽力した故・相田暢一氏が栄誉

 早慶戦1回戦(5月31日)の試合前に、特別表彰で野球殿堂入りした故・相田暢一氏(享年90)の表彰式が行われた。北海道生まれ。1943年10月16日に行われた出陣学徒壮行早慶戦(最後の早慶戦)を、早大マネジャーとして開催に尽力した。自らが出征する前にはバット300本、ボール300ダースを買い集め、合宿所に保存。戦後の早い時期に野球復興を実現させた功労者である。故人に代わり表彰を受けた長男・暢正さんは「同級生、先輩、後輩、たくさんの方が戦死された。亡くなった方々の思いも背負っていたはずです」と語り、感謝を口にしていた。

▲5月31日の早慶戦前に行われた故・相田氏の野球殿堂入り表彰式。写真左から野球殿堂博物館・熊崎勝彦理事長=プロ野球コミッショナー、長男の相田暢正氏、早大・中村奨吾主将[写真提供=野球殿堂博物館]

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