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激しい乱高下のシーズン最後は鷹が笑う/文=えのきどいちろう(コラムニスト)

 

ペナント優勝こそ逃したが、ポストシーズンでは圧巻の強さを発揮したソフトバンク


 2019年のプロ野球は「平成最後のシーズン」であり、同時に「令和最初のシーズン」でもあった。不思議なもので、何か時間の感覚が5月で一旦区切れている。

 あの時期、「平成最強のホームラン打者は誰だ?」「平成のプロ野球事件簿」といった企画が目白押しだった。何か30年あまりの歳月を締めくくり、まとめようという気運が生じた。不連続だったのだ。だからというわけでもないだろうが、セ・パ両リーグとも、乱高下の激しい複雑なシーズンになった。

 こういうシーズン総括記事を書くとき、ライターは(物事を分かりやすくするため)ストーリー立てを試みるものだ。例えば巨人の5年ぶり37度目のセ・リーグ優勝を「丸の移籍効果」で語るやり方だ。広島はその戦力ダウンによって4連覇を逃し、巨人は坂本勇人をはじめとして刺激を受けた選手が活躍する。1人の主人公の決断なり行動なりが、シーン全体を左右していく。ストーリーとしては間違ってはいないし、因果関係が直線的なほうがストンと腑(ふ)に落ちる。

 けれど・・・

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