移籍してきた先で、最高の喜びが待っていた。昨年、
オリックスを戦力外になり、
楽天入りした
森山周。1年間を通して一軍に在籍し続け、89試合に出場し、81打数22安打、打率.272を記録。試合後半から、左翼手・枡田の守備固めか、
ジョーンズらの代走として出場する場面が目立った。盗塁数も自己最多の11盗塁。俊足と守備力を兼ね備えたバックアッパーとして貢献した。
楽天入りする際、チーム関係者から言われた。「ウチには代走とか、守備ができる選手が少ない。そういう選手を探していたら、戦力外になった選手の中に、うってつけの人がいた」。50メートルは5.5秒で走る。昨年オフの時点で、チーム内の俊足選手は聖澤くらい。しかもスタメンでの出場が計算されていたため、代走要員が極めて少ない状況だった。
「スタメンとか考えずに、ずっと一軍にいて、そういう与えられた場面で、しっかり力を発揮しようと考えていました」。自分の立てた目標も明確だった。
チームに来て、抱いていたイメージが変わった。「関西と比べて、おとなしいのかなと思ったら、意外とワイワイしてて(笑)。そういうノリは変わらないのかなと思いました」。
そして移籍1年目、いきなりの優勝争い。「後半に逆転する場面が多かった。最後まであきらめない気持ちをみんなから感じたし、ベンチにいてもその気持ちはしっかり持つようにしていました」。
人生初というビールかけ。「12球団のうち、2チームしかできない。しかも日本一になって2回できるのはそのうちの1チーム。最高でしたよ」。充実の表情で、1年を振り返った。