7年ぶりの古巣復帰となった
岩村明憲は75試合に出場し、打率.246、3本塁打、17打点。数字的には物足りなさを感じるが、ここぞの場面で活躍を見せるなどベテランらしい存在感を発揮した。
4月7日の
DeNA戦(神宮)では2回に左翼ポール際に復帰1号。続く武内、中村にも本塁打が飛び出し、05年の
ラミレス、宮出、リグス以来となる8年ぶりの3者連続アーチを演出した。7回の打席でも左前に安打を放ち、2安打2打点でお立ち台に上がった。「キャンプからここまでファンの方々に『お帰り』という言葉をいただいていましたが、今日やっと言えると思います、ただいま!」。ファンからの大声援を浴びた。
5月14日の
西武戦(神宮)では初回に左翼方向に同点の適時二塁打。1対1で迎えた3回二死二塁の場面では先発・十亀の内角のシンカーを振り抜き、右越え弾を放つと、4、5打席目にも中前打を放ち、7年ぶりの1試合4安打を記録した。「打席の中で粘りが出てきている。走者を二塁に置いてから、ヒットが出ているのが大きい」と手応えを感じた一戦だった。
7月4日のDeNA戦(横浜)では公式戦プロ初となる一塁手でのスタメン出場。3月5日の
オリックスとのオープン戦(京セラドーム)の試合前には「ド緊張」と話していた一塁の守備だったが、公式戦でも難なくこなしてみせた。
8月25日に出場選手登録を抹消されて以降、最終戦まで一軍復帰はなかった。チームも最下位に終わり、来季にかける思いは人一倍だ。
神宮での秋季練習では「この時期にこんなに振ったことは今までにない」というほど、連日の打撃練習に取り組むなど精力的だった。