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中田翔 内野手 #6

1億円プレーヤーの仲間入りへ

 



 厳冬更改が予想される中で念願の大台到達が確実だ。中田翔のプロ6年目で初の年俸1億円突破が決定的になっている。今季8500万円(金額は推定)から大幅増が見込まれ、ついに一流プレーヤーの称号を手にする。終盤は死球による不慮の左手第5中手骨の骨折で棒に振ったが108試合で四番を全う。自身シーズン最多28本塁打を放つなど、目覚めた1年を過ごした。

 全力で走り抜けた。3月には初めてWBC日本代表に選ばれてレギュラーに定着。日の丸を背負う若き侍として日本中を沸かせた。癒す間もないまま開幕へ突入しても本塁打を量産。負傷するまでは初タイトルも視野に入っていたが、アクシデントで水の泡になってしまった。チームも最下位に沈むなど、ストレスを抱えたままで終わってしまった。「ホンマ、疲れたわ」と短い本音を漏らす。

 来季はさらにハードルを高く設定された。栗山監督が「翔ならできるはず」と課したのが、入団時に挫折した三塁への再転向。外野手として一定の評価を受けるまで守備力が向上してきたが、内野手としての再スタートを切ることになった。中田も「チームのためになるなら」と受け入れて挑戦。スター野手の代名詞「四番・サード」の新スタイル確立を目指す。

 小久保新監督が率いた11月の新生・侍ジャパンでも不動の四番を任された。その事実が証明するように、日本球界の未来を担うスラッガーとして自他ともに認めている存在だ。1億円プレーヤーの肩書はあくまで通過点。「不完全燃焼の1年に終わったから」。雪辱の思いを秘めた中田が大台突破の責任、使命感で日本ハムをけん引していく。
オーロラビジョン

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