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上沢直之 投手 #63

先発入りへ“松戸のダル”が評価急騰

 



 日本ハムファンにはなじみ深い「松戸のダルビッシュ」の異名を持つ新星が現れた。2年目右腕の上沢直之が来季の先発ローテーション候補に急浮上した。10月下旬から約3週間、沖縄・国頭村で行われた若手主体の秋季キャンプに参加。一部刷新された新首脳陣の注目を集めたのが、上沢だった。一軍に復帰した厚沢投手コーチが「ザ・先発という感じがした」と絶賛の嵐を送るほど、存在感は際立っていた。

 長身187センチの本格派。未完成ながら潜在能力を買われて12年ドラフト6位で入団した。今季まで2年間、二軍で強化指定選手として育成プランに沿って奮闘。7月にはフレッシュ球宴で先発して2回無失点の好投で優秀選手賞を獲得した。一軍は未経験のまま今季を終えたが、少しの手応えを感じる1年を終えた。

 秋季キャンプで厚沢コーチらが目を細めたのは球質とキレ。「ダルビッシュとは違うが力で勝負できると感じた。1球チェックしただけで良いと思った」と厚沢コーチが一目惚れするようなパフォーマンスを見せた。今季の先発陣が手薄だっただけに、来年2月の春季キャンプでは一軍スタートも検討されるほど。上沢は「僕なりにやっていくだけ」と控えめも、期待は高まっている。

 同期の高卒入団ルーキーのほか3人全員が、今季までに一軍経験済み。その反骨心をエネルギーに、勝負の3年目を突き進んでいく。来季の先発陣は世代交代、新外国人補強などで大幅に再編成する方針だけに、大きなチャンスが広がっている。「チームを背負っていく投手になれれば」。一軍定着だけではなく、主力へと飛躍していくために精進を続ける。
オーロラビジョン

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