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今村信貴 投手 #65

先発ローテ入りへ大切な3年目のオフ

 



 2年目で待望のプロ初勝利を挙げた。緊張感の増す日本シリーズでも登板。今村信貴は「いい経験をさせていただきました。来年が勝負だからオフをしっかり過ごしたい」と自らを律する。19歳は今季の貴重な経験を糧に、大きく羽ばたこうとしている。

 朝から始まり日が暮れるまで、秋季練習では野球漬けの日々を送ってきた。念頭に置くのは1年を投げ抜く土台づくり。「シーズン中にはできないので」と上半身、下半身とバランス良く筋力トレーニングに精力的に励んだ。「すごくきついメニューをやっている」と走り込みの量もシーズン中と比べれば格段に多い。並行して2日に1度、100球の投げ込みを行うことも自らに課した。

 もちろん、ただ漫然と投げ込んでいたわけではない。「研究されてくると思う。もっともっと投球の幅を広げないといけない」と向上心は強い。「ストライクを取る球がスライダーだけだとダメ」と精度を上げようと必死なのがチェンジアップだ。今季から練習に取り組んできたが、まだ実戦で使える段階にはきていない。来年の春季キャンプも含め、この球を自在に操ることが目標だ。チームには同じ左腕で、杉内や内海などチェンジアップの高度な投げ手もいる。「理想の使い方です」と今村の“生きた教材”だ。

 年明けには「連れて行ってくださいとお願いした」と自ら志願し、村田や實松らが行う合同自主トレーニングに参加することも決まった。野手、捕手目線からの先輩の助言を聞ける貴重な場だ。すべては来季の先発ローテーション入りをつかむため。「2月からアピールしないといけない」と今村の視線は先に向かっている。
オーロラビジョン

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