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和田一浩 外野手 #5

名誉と成功の証しまであと「100」

 



 プロの世界に飛び込んだ打者ならば、誰もが一度は夢想する最大の節目。その2000安打に、和田一浩はあと「100」に迫っている。

「そのために野球をやっているわけではありません。勝つために、チームが優勝するために……。でも、まったく意識しないかって言われれば、そうでもないですよね。この年齢になれば、そうした数字がモチベーションを高めてくれるということもありますから」

 12年連続で100安打以上打っている和田からすれば、来季中の達成はたやすいことのように思える。だが、その一方でここ3年は打率3割に届いていない。統一球の導入とともに、大きく数字を落とした打者の1人だ。加えて、来季で42歳を迎える年齢も無視できない。若手に取って代わられれば、シーズン100安打は一気に苦しくなる。

 そうさせないための準備は、怠りない。谷繁新監督を迎えても、毎年と同じように秋季練習は免除。だが、昨オフまでと違うのはナゴヤ球場に和田が頻繁に姿を見せたことだ。「この年になると、ずっと休んでいると再起動ができなくなっちゃうんですよ。少しずつでも動かし続けようと思って」

 練習の合間を縫って、バット工場にも足を運んだ。操作性を高めるために、グリップ部分を薄皮一枚だけ削ることを、メーカー側に要望した。他人には分からないフィーリング。どんな細かいことも突き詰めておきたい和田らしい行動だった。

 名誉と成功の証しである2000安打へ。例年どおりのペースならば、和田が節目をクリアするのは夏休み中のはずだ。
オーロラビジョン

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