自身初のサヨナラ弾で劇的に試合を決めた。5月17日の
ロッテ戦(神宮)、2対5で迎えた9回無死満塁。打席に入ったのは
畠山和洋だ。カウント2ボールからの3球目。3番手・松永が投じたツーシームを思い切り振り抜くとライナー性の打球が左翼席最前列に着弾した。連敗を6で止めるサヨナラ満塁本塁打。グランドスラムでのサヨナラは01年の稲葉(現
日本ハム)以来4人目、逆転となると球団初の快挙だ。
「なんとか入ってくれと祈りながら走りました。決めるというよりは初めはつなごうと思っていたんですけど、カウントがバッター有利になったので結果を考えずに思い切っていこうと思った。サヨナラ満塁ホームランもなにも、サヨナラ打が初めて」と興奮冷めやらぬ表情で打席を振り返った。
この試合、
ヤクルト打線はロッテ先発・唐川から4回に2点を奪い1点差とするも、2番手の
カルロス・ロサを打ち崩せず。3点差にされて迎えた9回に先頭の
ミレッジが四球で出塁すると、続く
バレンティンの投ゴロが松永の悪送球(記録は野選)を誘った。そして代打・宮本の左前安打からの劇勝。まさにチームの執念が生んだ9回の攻撃だった。
今季は打撃不振で二軍落ちも経験した畠山。同15日の
西武戦(神宮)でもスタメン落ちを経験したばかりだった。「神宮のファンの皆さんの声というか、歓声もヤジもいっぱい聞こえていましたので、とにかく勝ちたいという思いで挑みました」。ナインにもみくちゃにされながらも、ファンの大歓声に手を上げて応えた背番号33。自身5本目のグランドスラムは9回から4番手で登板した正田に05年以来の白星をもたらした。