週刊ベースボールONLINE

金子侑司 内野手 #2

体力と技術を向上させ、遊撃のレギュラー獲りへ

 



「ここまでできると思ってなかった」とプロ1年目を振り返る。ルーキーながら「七番・右翼」で開幕スタメンを勝ち取った。開幕戦では初打席初安打、5戦目にはプロ初本塁打も記録した。その後も、「本当にすごい」「もってる」と、首脳陣やチームメートたちに絶賛されるほど能力の高さを発揮し続け、3、4月は打率.306と3割超。守備でも、右翼でスタートするも本職の遊撃の定位置を奪っていった。まさに、同時期首位を走っていたチームの象徴ともいえる存在の一人だった。

 だが、華々しいスタートだっただけに、一方で苦しさ、悔しさも大いに味わった。初のプロの世界で常に100パーセント以上の力を出そうとしてきた疲労から、5月に入ると好調だった打撃が不振を迎える。自慢だったはずの守備にも精彩を欠き、初の二軍落ちを言い渡された。「いつか調子が落ちるとは思っていたのですが、そこでなんとか(一軍に)踏みとどまりたかったんですけど」。6月には再び一軍登録も、それまであったはずの自分の“定位置”は、もうなかった。

 その後も2度、抹消と登録を繰り返したが、「ベンチにいる時間が多くて、何もできず悔しかった」。活躍する喜びを味わった分、悔しさもひとしおだった。ただ、さまざまなことを経験したからこそ、「自分の力さえ出せれば通用する」という自信、そして体力、技術における多くの課題が見つけられたともいえる。

 秋季キャンプでは、『指定強化選手』に指名され、守備・打撃とも徹底的に鍛えこまれた。さらに、練習後のウエート・トレは欠かさず行い、サイズアップと体力増加にもひたすらに取り組んでいる。年男となる2014年、激しいポジション争いが予想される遊撃獲りに再び挑む。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング