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石井義人 内野手 #33

無我夢中にバットを振って原点回帰誓う

 



 13年シーズンは本来の力を発揮できずに終わった。14年の7月で36歳となる石井義人は「13年は粘り強さがなかった。14年は粘り強くやっていけたらと思う」と巻き返しへ、強い決意を口にした。

 巨人に移籍してきた12年は51試合で打率.315、14打点。大事な局面で代打の切り札として勝負強いバッティングを見せ、チームを勢いづけた。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは第5戦でサヨナラ安打を放つなど、最優秀選手に選ばれる。3年ぶりの日本一に大きく貢献した。それが、13年は持ち味の懐の深い打撃が消え、鮮やかなバットコントロールが見られる機会も少なかった。62試合で打率.203。打点はわずか2だった。二軍落ちも経験するなど、不本意なシーズンだった。

 不振が続いた原因を本人が探る。「低めの球についていけなかった。ボール気味の球がストライクと見えてしまった。その落ちる球にバットがクルクルと回ってしまった」と石井は反省した。70打席で18三振。ボール球に手を出し、結果的に淡泊な打撃が増えてしまった。さらに、セ・リーグに移籍して2年目で相手にも研究された。変化球を徹底されるなどマークが厳しくなり、甘い球がなかなか来ない。苦しい打席が続いた。14年に向け「自分の中で勉強していきたい」と配球面でも成長を誓う。

 西武から戦力外通告を受け、巨人に移籍してきた。いろいろな経験をくぐり抜けてきた苦労人は「13年は考え過ぎた。14年は無我夢中にバットを振ろうと思う」と原点回帰で復調を狙う。誰もが力を認めるその打撃で、またチームを救う一打を放つつもりだ。
オーロラビジョン

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