レギュラーの座を虎視眈々と狙う。700万円ダウンの3100万円で契約を更改(金額は推定)した
牧田明久。昨年は27試合の出場に終わり、打率.222、2本塁打、7打点と「納得いくシーズンではなかった」と自らも認める不本意な1年だった。
チーム屈指の強肩と、一発を打てるパワーが魅力の男。開幕当初は
ジョーンズ、
マギーの間に入り五番を務めるなど絶好調だったが、4月21日の
ロッテ戦(QVCマリン)でスイングの際に左手首を負傷。同24日に「左橈側手根伸筋腱部分断裂で全治3〜4週間」と診断され、離脱を余儀なくされた。
離脱中、外野手として枡田、岡島、島内ら若手が台頭。彼らの活躍もあってチームはリーグ優勝、日本一も獲得した。開幕後につかんでいたレギュラーの座は奪われ、守備固めや左投手対策としての出場に限られた。
それでもここ一番の勝負強さとパンチ力は誰もが認めるところ。
巨人との日本シリーズ第7戦、先発が杉内と左腕だったことから九番でスタメン出場すると、第2打席に追加点となる貴重なソロ本塁打。相手投手が右腕の澤村に代わった打席だったが、
星野仙一監督はそのまま牧田を打席に送った。指揮官の信頼は、こんな所にも表れていた。
レギュラー争いから始まる今年、岡島、枡田、島内、聖澤らとの競争から始まる。「オレはいいヤツを使う。固定はさせないよ」と、星野監督も横一線を強調した。
まだまだ31歳。老け込む年ではない。「もう一度、レギュラーを獲って優勝を味わいたい」。強肩強打の和製大砲が定位置獲得に向け、熱き闘志を燃やす。