後のないシーズンを迎えるにあたって闘志をみなぎらせる。
新井貴浩にとってプロ16年目は勝負のかかった年。もはや失敗は許されない。「今年1年、はつらつと野球をやりたい。今からキャンプが待ち遠しいし、早く野球がしたいという気分です」
ここ数年は右肩痛を引きずってきたが、それも万全で「絶好調だ」とまで言い切った。なによりも例年を上回るペースが今季にかける姿勢を示している。
昨季は打率.267、15本塁打、70打点にとどまった。シーズンオフの契約交渉では5000万円減の推定2億円で更改。3年契約の最終年は「いい転機かも」とマイナスからのスタートになる。
長距離砲の新外国人マロウ・ゴメス内野手(前ナショナルズ)が一塁を予定されている。三塁も新井良、坂らが候補で、新井はポジションを保証されていない。
本人の姿勢としては「基本はファーストでしょう。でもシーズンは長いし、何があるか分からない」と複数のポジションを準備しているようだ。
新井の生きる術は、チームが渇望している得点力をアップする原動力となることだろう。05年に43本塁打でタイトルを獲得したときの打撃を取り戻せば、ゴメスを追いやる早道になる。
「年々ホームランが減っているし、自分ではこんなもんじゃないという思いでやっている。43本打ったときは無意識だったけど、画像を見るとちゃんと形になっていた」
広島時代のフォームを再チェック。チーム最年長37歳の新井は「優勝できるように。また自分にとっても1番いいシーズンにしたい」と歯を食いしばって勝負に挑む。