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山口俊 投手 #11

信頼回復へ、死に物狂い

 



 プロ8年目のシーズンは本来の力を出し切ることができなかった。近年はクローザーとしてチームに貢献していた山口俊。2013年のセーブ数は前年から大きく落としわずか7。オフの契約更改では2000万円減の年俸8000万円プラス出来高払いでサインした(金額は推定)。「もっとダウンされても仕方ないと思っていた」。1億円プレーヤーに登り詰めた男も減俸を覚悟していた。

 防御率も5.40に終わり、前年に1.74の好成績をマークした守護神がまさかの不振に陥った。自責点も12から28に増え不安定な投球を見せた。「年俸に見合った成績を残していないし、迷惑をかけた」。シーズン途中で抑えの座をソーサに譲った。

 DeNAはオフの補強ポイントに先発陣の強化を挙げた。久保、高橋に加え、モスコーソと次々と補強し厚みを増した。ただ先発がどれだけ強力になったとしても、やはり救援陣が安定しないことにはクライマックスシリーズ進出は見えてこない。特に試合を締めくくる抑えの役割が重要なことは言うまでもない。26歳は「一番後ろをやりたい気持ちはある。首脳陣をはじめ選手からも信頼される選手にならないといけない」と話す。山口が本来の輝きを取り戻せばAクラス入りがぐっと近づく。

 チームが最下位に低迷し続ける中、12年まで3年連続20セーブと奮闘した右腕。中畑監督の就任2年目は6年ぶりに最下位を脱出と巻き返しへの道筋は少しずつできつつある。補強選手と現有戦力の融合がさらなる飛躍へとつながる。山口の復活が14年のキーポイントの一つになる。「1試合1試合死に物狂いで頑張る」と強い決意を口にした。
オーロラビジョン

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