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岸孝之 投手 #11

早々の指名に、心と体を万全に準備

 



「自然とそうなるでしょう」。1月2日に行われたトークショーで、伊原監督は今季の開幕投手は岸孝之しかいないと明言した。昨季チームトップの11勝を挙げた右腕への期待は、それほど大きいということだろう。ニュースで見て知ったという岸本人も、「逆にプレッシャーもかかって、本当に開幕に投げられるように準備したい」と、2年連続となる大役にあらためて身を引き締めた。

 自身初めての開幕投手となった昨季は、「試合中に変な力みがあって、すぐにバテてしまった」。6回4失点で降板、黒星に終わった。しかし、その経験は決して無駄にはなっていない。「楽しみだけど、とにかくプレッシャーが違う」。実際に立ったことのある者にしか実感することのできないプレッシャーを味わった価値は大きい。元々、自身の中では開幕日に合わせて自主トレから体と心の調整をしていた。その上で早い段階から“当確”を伝えられたことで、春季キャンプでも開幕投手争いのための「対ライバル」ではなく「対自分」に絞ってのマイペース調整が可能になった。

 一方で、「(開幕と言われているが)競争意識をもってやりたい」とも言う。指名に甘んじることなく、菊池、牧田ら今季の活躍次第では来季以降、その大役を争うことになるであろう存在を意識しながら、自らの実力向上に励む姿勢だ。『開幕投手の役割』として、「各チームのエースと当たる」と開幕戦だけでなく、その先を見据える。

「エースと投げ合って、そこで勝っていくことが自分の価値を高めていく」。エースと呼ばれるためには、15勝はノルマ。名実ともにチームの絶対エースに君臨するべく、着々と開幕への準備は進む。
オーロラビジョン

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週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

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