昨季プロ野球記録のシーズン最多60本塁打を放った
ウラディミール・バレンティンは、今年はどこまで記録を伸ばせるか。オランダ代表として出場したWBCでの左内転筋肉離れやシーズン終盤の左アキレス腱痛の影響で昨季の出場は130試合。14試合欠場しての偉業達成だっただけに、今季はどれだけアーチを描くのか、ファンの注目が集まる。
だが、本人は本塁打の記録更新よりも「打率、打点も含めた総合的な活躍を」と、意欲を燃やしている。目標は
ブーマー、バースに続く外国人3人目となる「三冠王」だ。昨季終盤も、「三冠王を狙いたい」と口にしており、こだわりは相当なものだ。打率や打点でタイトルを争ったブランコ(
DeNA)、阿部(
巨人)の様子が気になるかと思いきや、「ライバルはいない」と言い切る。「40本塁打、打率3割、100打点以上」を最低限の数字に挙げており、これらをクリアしていくことが当面の目標となりそうだ。
小川監督もバレンティンに期待しているのは、本塁打のタイトルだけではない。昨季の出塁率がチームトップだったことにも触れ、「本塁打はもちろんだが、チームの勝利に結びつく活躍をしてもらいたい」。3年連続本塁打王のバレンティンが相手チームから厳しいマークを受けるのは明らかで、大切になってくるのは後続を打つ選手だ。指揮官も「バレンティンの後ろを打つ選手が勝利のカギを握る」と語っており、
ミレッジや復活を期す畠山らがキーマンになりそう。2人が好調を持続すれば、バレンティンが勝負を避けられることもなくなり、85年のバース以来の「トリプルクラウン」がより現実味を帯びてくる。